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寺崎 家族的な付き合い。会社が守ってくれていた時は煩わしく感じていたが、最近また一体感を生む社員旅行がいいというように変わってきていますよね。
川ロ 強制は無理かもしれませんが、行政もそういったもののプランをもっと出してくれることを期待しているのですが。
-契約社員・パート労働者の雇い止めと均等待遇の問題点-
 
川口 ところで、契約社員や請負という形態で働いている方が増えてきていますが、その中で雇い止めの問題や正社員との均等待遇の問題等は、今後訴訟に繋がっていくことも考えられますか?
寺崎 雇い止めの方から話しますと、雇い止めの問題はかなり訴訟になっています。先日労働相談で受けたもので、正社長から契約社員へ転換しないかと会社側から言われたというものがあります。会社側には、リストラの対象者をまず契約社員にしてその後初めての更新の時期に更新しないつまり雇い止めをする、という二段階の解雇を考えていることがうかがわれる事案でした。正社員の整理解雇ができにくいため「正社員→契約社員→雇い止め」をした事例では、「一回目の更新で更新権の拒絶の乱用である」と判断されているものがあります。雇用の多様化と言いつつ、会社側の都合という面も大きいですね。均等待遇に関しては、パート労働に頼らざるを得ない中で、正社員とパートと同じ仕事をしているのであれば、やはリパートの賃金を上げていかなければ質の高い労働カを逃してしまうことになり、それは会社にとっても決して好ましくない事態ですよね。
川口 雇い止めに関しては、かなりトラブルになっているということですが、均等待遇に関しては、パートさんの方もそれ程深刻に受け止めていないというのもあるのでしょうか。
寺崎 正社員の単価はどのくらいかがわからないため、自分との格差がわからないというのはあると思います。また、夫の扶養に入るための税制上の問題もあり、会社側がそれに乗っかっているという現状もあります。ただ、雇用の多様化の中で、必要とされる労働力ですので、パートの質を高めることを考えていくと給与を高めることと税制上の問題をマッチさせていかないと、今後の労働市場での女性の労働力の価値を高めていくことは難しいと思います。また離婚が増えている中で、母親が一人で子供を育てていけるだけの経済力を持てるようにならないと、今後社会全体もうまく回っていかなくなる時がくることになると思います。
-寺崎弁護士への質問-
 
川ロ ところで、寺崎先生が弁護士を目指されたのは何故ですか?
寺崎 中学3年くらいの時に、ベリーメイスンという海外ドラマを観て、刑事弁護人になりたいと思ったのがきっかけです。最後に真犯人が出てくるというミステリーサスぺンスものです。そういう弁護をやってみたいというのがあったのですが、今まで一度も最後に真犯人がでてくるという弁護はやったことがないですね。
川口 2時間ドラマのような事件というのは、実際はほとんどないのですかね。
寺崎 少ないですね。ただ、弁護士のアイデンティティーといった時に何があるのかというと、一つは人権擁護活動でもうーつが他の士業が関与できない刑事弁護があると思っています。
川口 そこは、やり甲斐がありますよね。最近独立開業されましたね。
寺崎 勤務の時には見えなかったこと、関わらなくてよかったことが、経営者となって見えてきて意識が変わりましたね。経営計画の一環として、従業員の勤務体制や給与計画も立てなければなりませんし。
川□ 弁護士さんもそこはやはり悩むところなのですね。ところで、士業の方とお付き合いがあると思うのですが、どのような士業の方と、どのような関係でお付き合いされているのですか?
寺崎 仕事上では、司法書士さんと登記の問題、相続問題・売買問題等でのお付き合いがあります。自分が個人事業主になったので、税理士さんとは税務上の問題等で情報交換をする、勉強会を開くということがあります。社会保険労務士さんも、労働保険・社会保険の手続等でお世話になると思います。
  やはり、全ての法規に精通するというのは難しいですし、法改正のスピードが速くなっていますので、分業化せざるを得ない状況だと思います。
川ロ なるほど。では最後に、寺崎先生は今後の事業展開をどのようにお考えかお聞かせください。
寺崎 将来は、ワンストップサービスを目指しています。先ほども触れましたように、全ての法規に精通するのは難しいですので、役割分担することで、それぞれの分野で質の高い業務を行っていければと思っています。
川口 なるほど。長い時間どうもありがとうございました。

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