世界に通じる日本の製造業というと、自動車や電機と誰もが思い浮かべることでしょう。しかし、戦後の「トヨタ」や「ソニー」などに先駆けて日本発の世界ブランドを確立したのは陶磁器「ノリタケ」です。そして、ノリタケというと食器のイメージが強いかと思いますが、日本陶器(現ノリタケカンパニーリミテド)の初代社長である大倉和親は、食器にとどまらず、碍子・点火プラグ・衛生陶器・タイルにおいて業界トップである日本碍子(現日本ガイシ)・日本特殊陶業・東洋陶器(現TOTO)・伊奈製陶(現INAX)などを育て上げ、伝統工芸的であった製陶産業を近代的なセラミック産業に導いた人物です。
大倉和親は、明治37年、森村市左衛門率いる貿易商社「森村組」によって洋食器の陶磁器製造を本格的に行うため名古屋に設立された日本初の本格的な製陶工場である「日本陶器」の初代社長に抜擢されました。
大倉は、森村市左衛門の右腕であった大倉孫兵衛の長男で、慶応義塾を卒業後森村組に入り、ニューヨークのビジネスカレッジにて米国流ビジネスを学んだ後、森村組のニューヨーク店勤務、29歳で日本陶器の初代社長に就任、というエリート中のエリート。日本陶器の幹部には森村組の幹部である父の友人・知人も多く、いわゆる
|