私としては、乗馬の魅力はこの馬と触れ合いが一番なのではないかと思います。それくらい癒されてしまいました。そしていよいよ乗馬体験。クリスに跨ると、想像以上に目線が高いことに驚きます。高いところから見下ろすのはなんとも気持ちがいいものです。指導員さんの指示どおりに両足でクリスのお腹を軽く蹴ると、ゆっくり歩き始めました。この状態を常歩（なみあし）と言うそうです。単に歩いているだけですが馬上の揺れは結構なものでした。8の字に揺れるような感覚です。確かにこれだけでも腹筋や大腿筋に力が入っているのが分かります。しかし、「健康や筋力アップに繋がるかは疑問だな～」なんて思っていると、次のステップ、速歩（はやあし）に移ることになりました。常歩の状態でもう一度クリスのお腹を蹴ると、少しスピードが上がると同時に馬上は下から突き上げられるほどの揺れになります。「うわわ、これムリムリ～！」などと声にならない声で叫んでしまったのを指導員さんに聞かれなかったことを祈るばかりです。この状態で馬のリズムに合わせて立ったり座ったりを繰り返すのが正しい乗り方らしいのですが、これは、相当のバランス感覚と下半身の筋力が必要です。

でも、このスピード感ははっきりいって病みつきになりそうです。今回の体験乗馬はここまでのステップでしたが、30分も騎乗していると汗もかきますし結構な運動になります。事実、普段使わない筋肉を使ったため後日筋肉痛（特に太もも）になってしまいました。しかし、「もっと練習して、大草原を思い通りに馬を走らせてみたいなぁ。」などと思ってしまったのでした。こうして、みなさん乗馬の虜になってしまうのでしょうね。
この日は時折雷雨にもなるほどの悪天候でしたが、体験乗馬に訪れる方は後を絶ちませんでした。今、ちょっとしたブームなのかもしれません。私もそうでしたが、乗馬というと何となく敷居が高いような気がして、興味はあってもなかなか経験できない方が多いと思います。そういう方は、まず気軽に体験乗馬から始めてはいかがでしょう。クレインさんの会員の年齢層は小学生から80歳代の方まで幅広く、性別は女性が多いとのこと。また、運動神経はあまり関係なく、乗馬が好きなことが上達の秘訣であると伺いました。健康のためだけなら乗馬マシーンを使うのもいいかもしれません。しかし、馬とスキンシップをすることで喜びや愛着、癒しを感じたいなら、やはり実際に乗馬を体験することをおすすめします。
余談ですが、今回の体験乗馬で馬を操ることの難しさがよく分かりました。時代劇の劇中で実際に馬を走らせている俳優さん達は相当練習しているのだと思います。特に前述の某8代将軍。あの動きにくい衣装で、しかも相当のスピードで馬を走らせています。感服します。すごいぞ、マツケン！あ、言っちゃった。

（根津）