|
定年後も働くと雇用保険から「高年齢雇用継続給付」が受けられる制度があります。これは定年後も働いている方の賃金が現役時代と比べて一定以上下がった場合、その低下した割合に応じて支給される給付金のことです。この給付を受けるには以下の要件に当てはまることが必要です。
・雇用保険の被保険者期間が通算して5年以上あること
※基本手当(いわゆる失業保険)を受けたことがある方は、受給後の期間に限られます。
・60歳以後の賃金が60歳到達前の賃金の75%未満に下がったこと
もし60歳以後の賃金が61%以下の場合給付金は賃金の15%になります。
先のAさんを例にとって考えて見ましょう。
Aさんが考えている再就職先はそれぞれ月給「30万円」と「15万円」でした。
現役時代の月給は約60万円でしたから、どちらに再就職しても給料は現役時代の61%以下です。
・30万円の場合×15%=給付額45,000円
・15万円の場合×15%=給付額22,500円
この高年齢雇用継続給付を受けると年金は一部支給停止されるものの、
年金とダブルで受給することができます。
ではAさんの場合は結局月額いくらになるのでしょうか? |
実はこの高年齢雇用継続給付、今年の5月から給付率が下がり、以前ほど旨みがなくなってはいるのですが、上の例のように月給30万円の場合は先の試算より多少余裕が出ています。15万円の場合はそれほど変わりありませんので、年金の支給停止額が多い人ほどこの給付を受けた方がオトクということになります。ただし、この給付には上限額があるので注意が必要です。
年金財政の悪化に対応するため、今後も給付額の切り下げ、受給開始年齢の引き上げが続くことも考えられます。これからは年金だけで老後を暮らすというライフプランは成り立たなくなるでしょう。この厳しい時代を乗り切るためにも、正しい年金の知識が必要となってくるのです。 |
|
|