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試用期間中の解雇について

労働者を採用するにあたって、筆記試験や1度や2度の面接だけでは社員としての適格性を見極めるのは難しいものです。そのため、本採用する前に試用期間を設けて、その間の勤務態度、出勤状況から社員としての適格性を判断するというのが一般的となっています。試用期間中の勤務状況からみて、本採用はせずに解雇をしたいという場合もあるでしょう。その場合には次の点にご注意ください。

解雇予告 解雇事由
試用期間中は即時解雇ができると思っていらっしゃる方も多いようですが、これは試用期間14日以内に限られます。14日を超えると、本採用の社員と同じように解雇予告が必要となります。解雇をしようとする日の少なくとも30日前までに解雇予告を行うか、または解雇予告手当の支払をしなければなりません。

試用期間は社員としての適格性を見極める期間であることから、本採用した社員と比較して解雇事由の範囲が広く認められています。とはいえ、全く自由に解雇できるということではありません。出勤率が低い、勤務態度が悪い、能力不足で改善も期待できない、など適格性を欠くと判断するに十分な合理的な理由が必要です。 また、適格性を判断するにあたり、会社側が社員としての指導・教育を十分に行ったかどうかも問われます。

期間の延長

適格性の判断のためにもう少し時間がほしいという場合もあるでしょう。試用期間を延長する場合には、就業規則などにその旨を規定してあることが必要です。また、規定がある場合にも、当初の期間内に適格性の判断をし得ない特別な事情、合理的な理由がないと延長はできません。相当の理由があり延長する場合にも、会社側が一方的に決めることはできません。ご本人の了承を得て行いましょう。

採用した以上は試用期間中とはいえ、解雇することは容易なことではありません。試用期間の運用については、就業規則などで期間、解雇事由、期間の延長についてきちんと規定しておきましょう。     (高谷)


近代経済人からの教訓「ミキモト創設者 御木本幸吉」


私は女子大出身ということもあり、卒業間近になると、友人達とお揃いのカレッジリングを作ることが当時の流行でした。大学指定は、由緒ある「ミキモト」。幣事務所は銀座にほど近いこともあり、今でも私にとっては思い入れのあるブランドとなっています。そこで今回は「株式会社ミキモト」創設者「御木本幸吉」氏を取り上げてみようと思います。
 御木本は安政 5 年 1 月、鳥羽大里町生まれ。生家は「阿波幸」といううどん屋を営みつつ、少年時代には青物や玉子の行商もしていました。御木本幸吉氏当時の御木本少年は、鳥羽に入港したイギリス軍艦相手に玉子を売りに行き、全く相手にされないと、足で傘を回すなどの足芸を披露。興味を惹きつけることによって持参した品物を全部売りさばいていました。 幼少期から頭の回転の速さとパフォーマンス力が長けていたことがこのエピソードからも伺い知ることができます。この才能こそ、以後の商売にも大きく役立っていくのです。



 その後、友人と東京に行くことになりますが、道中でうち1名が病気になり、御木本は持参していた薬を噛み砕き、口移しに飲ませ介抱をしました。その人名救助が静岡新聞に報道されると、薬屋はこの美談を絶好の宣伝材料として利用したのです。 この時御木本は、新聞に広告を載せるよりも、人物の行動が活字になるほうが、広告以上の効果を持つことに気づきました。 以後、自分の姿が新聞等に報じられることこそが売上向上につながると信じ、決して掲載料を払って広告を載せることをしませんでした。
 これに関するエピソードとして「真珠の火葬」を挙げることができます。鳥羽市 ミキモト真珠昭和8年、神戸の商工会議所の前に焼き釜をすえ、不合格真珠36貫を火に投じたことが、新聞で大きく取り上げられました。この結果、御木本の真珠がいかに精選されたものかを広く宣伝する事に成功したのでした。
 たった一つの報道によって株価が大きく変動する昨今。宣伝広告よりも企業イメージのもつ影響力は、現在に生きる私達にとっても、その重要性を共感できることと思います。


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