ユーモラスなタイトルとカバーに目が止まり、思わず買ってしまったのがこの本「夢をかなえるゾウ」です。 現在、紀伊國屋書店週間ベストセラー第一位にランクしています。 主人公はどこにでもいそうな平凡なサラリーマン。一応名の通った大学を出て、職種より知名度で会社を選んで入社したが、現在の仕事にも生活にも満足していない。自分を変えたいと、これまで何かを始めてはいつも三日坊主。そのたびにますます自己嫌悪に陥っています。
そんな主人公の前に、ある朝突然 ゾウの姿をした自称「神様」のガネーシャが現れました。それは、主人公が3ヶ月前にインドで買った神様の置物にそっくり。なぜか関西弁のガネーシャは、主人公に「成功契約」を提案します。契約の内容は、毎日1つずつガネーシャから出される課題を実行していくこと。こうして主人公とガネーシャとの奇妙な同居生活が始まります。
第一日目にガネーシャが出した課題、それは「靴をみがく」というものでした。ガネーシャ曰く「会社行く時も、、、、、靴はずっと気張って支えてくれとんのや。そういう自分支えてくれてるもん大事にできんやつが成功するか。」 二日目の課題は「コンビニで募金する」でした。 このような課題が成功とどういう関係があるの?と問う主人公の疑問に対して、ガネーシャは、関わった過去の偉人たちとのエピソードを交えながら、その意味をわかりやすく説明していきます。こうしたガネーシャの課題には、一貫して他人への感謝の気持ちを持つことの大切さが込められています。主人公もまた新たな課題を実行していくうちに、他人への感謝の思いを感じるようになり、成長する作業の楽しさを味わうようになっていきます。
ガネーシャの課題の中で、私が特に心打たれた課題は、次の2つです。
一つ目は「運がいいと口に出して言う」という課題です。ガネーシャ曰く「自分にとってうれしゅうないことが起きても、先ず「運が良い」って思うんや。そしたら脳みそが勝手に運がええこと探し始める、自分に起きた出来事から何かを学ぼうと考えだし、自然の法則を学んでいくんや。」と。 |
人生の中でぶつかる逆境も災難もこんな風に前向きに乗り越えられたらと思いました。 二つ目の課題は、「身近にいる一番大事な人を喜ばせる」です。ガネーシャ曰く「人間はどうでもいい人に気を遣い、一番お世話になった人、、、、自分にとって一番大事な人を一番ぞんざいに扱うんや、たとえば親や」と言っています。
確かに身近な人にはつい甘えてしまって、ありがとうという言葉すら忘れてしまいがちです。失くしてから後悔しても遅いのですから、日々、感謝の気持ちを伝えなくてはと思いました。
このようにガネーシャは、ユーモアあふれる主人公との会話と出来事を通して、成功への課題だけでなく、人生を豊かに前向きに送るための本質的な課題を与えてくれているように思います。
(吉田) |