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「遅刻・早退が多く、取引先から出入り禁止を通告される社員に、態度を改めるように
注意し、部署替え等もしましたが、態度は改まりません。それどころか、『クビにす
るなら、して下さいよ。』と開き直る始末です。この社員に辞めてもらうにはどうすれば
いいでしょうか。」

『クビにするなら、して下さいよ。』と言われて、『じゃ、来月から来なくていいよ。』と言って、当該社員を辞めさせた場合、この労働契約の終了を「合意解約」と見ることができるでしょうか。この応答が合意解約と見られるのであれば、会社は、解雇理由も解雇予告手当もなく、この社員との労働契約を終了させることができます。

しかし、本件での『クビにするなら、して下さいよ。』という社員の言葉は、言葉の文脈から「合意解約の申込」を意味しているとはいえません。この社員は、解雇という会社都合の労働契約終了であれば、失業給付をすぐ受給できるというメリットがあり、また場合によっては労働提供なくして解雇予告手当を予告時に取得できるというメリットがあるから、会社に「解雇」という選択をさせているだけというべきでしょう。

本件の「解雇」(懲戒解雇ではない普通解雇)の場合、労働基準法上、解雇理由の制限(18条の2)と解雇予告(20条)が適用されます。

解雇理由の制限については、労働基準法で、判例法理を明文化して、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と規定しています(18条の2)。

客観的・合理的理由と社会相当性とは、具体的には、どのような事情をさすのでしょうか。(次回につづく)

ワークライフバランス

最近注目されているワークライフバランスとは「仕事と生活の調和」を意味し、働き方全般にわたる概念となっています。この概念はとても広範囲にわたる為、企業として具体的に捉える場合はワークライフバランスの一部分である「両立支援(育児と仕事の両立)」というテーマに絞ると考えやすいかと思われます。

「両立支援が必要とされる時代背景」

女性の活用にたどり着くには出産による離職の防止、女性人材の確保が必要であり、その為に両立支援制度が存在します。具体的には育児休業、短時間勤務等の措置、産前・産後休業などが該当しますが、これらは就業規則等できちんと整えられていますか?
女性だけではなく、男性の育児休業取得率の増加も今後の課題とされています。
また、現在の次世代法では前述のような具体的な行動計画を策定することが300人超企業に対して義務付けられていますが、改正案が成立すれば21年度から対象が100人超企業に拡大される予定です。

(青木)


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