意見を言ってはいけない会議が最近注目を集めています。意見を言わずにどうするんだ?と思う方もいることでしょう。この本では質問とそれに対する回答によって進行する会議が紹介されています。
質問会議が必要とされている理由は時代の変化にあります。今までの方法で上手く進められていたことが明日も通用するとは限らない。つまり上司やリーダーが積み重ねてきた知識や経験が必ずしも活きるとは限らないのです。そのため、現在必要とされるリーダーは部下に指示を与えるタイプではなく、部下を育成・支援するタイプだと記述されています。個々の能力が高いに越したことはないのですが、それだけではたいした成果は上げられない。チーム全体で考え、行動できるようになることが理想的です。その理想を実現するための効果的な方法として質問会議が存在します。
質問会議は問題提示者と進行役を含め、合計4~8人くらいで行うのが適当です。まずは問題提示者が簡単に状況を説明する。あくまでも簡単に説明するだけで、詳細部分は他の人が質問して引き出していきます。そのやりとりを続けているうちに問題の本質が見えてきます。実は問題提示者が考えもしなかった点が問題だったと気付く可能性があるのです。一人(問題提示者)の視点で問題を決め付けることはせず、全員で問題を見つけ出します。問題が明確になるとどのような状況になれば解決と言えるのかも見えてきます。そして「何を」「いつ」「どこで」というように質問→回答という形で具体的な行動計画を考えられます。問題が明確になった時点で問題は問題提示者だけのものではなく、全員のものという意識になっているため行動計画を遂行するのは会議の参加者複数であることが多くなります。自然な流れで実際の行動が伴う会議となるのです。
また、進行役が参加者全員が平等な立場で発言できるように見守るのもポイントです。上下関係等を気にせず自由に発言できる場を作り、本音を話せるようになると、会議の参加者達の間で親密さや信頼感が芽生え、チームとしての成長も促します。
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上司が個別コーチングをすると時間も労力もかかりますが、この会議では問題を解決しつつ、チームのモチベーションを上げ、(常に質問に対する答えを考えることから)個々の成長にも繋がり、非常に効率的です。 意見を言うだけ、聞かされるだけの会議とは確かに違うと感じました。例え誰かに向けられた質問でも大部分の人は頭の中で自分なら…と答えを探します。参加者全員の頭をフル活用し、よりよい解決策を見出し、行動に移せる。本当にそんなにうまくいくのかと思う反面、試してみたくなる会議方法ではありませんか?
(大塚) |