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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、
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第93号 平成30年5月1日

定額残業代の注意点

残業代について、固定の手当を支払い、残業してもこの手当以外の残業代を支払わないとしている事業所様もあるかとおもいます。このような、定額残業代の制度は法律上明確なルールございません。従いまして、このような制度が認められるか否かは裁判等で争ってみないとわからないということになります。
仮に、裁判で認められないとなると、定額残業代として支払っているつもりになっていた部分が全く支払っていなかったことになります。さらに、支払っていた定額残業代は、いわゆる基準内賃金として扱われ、残業代を計算する単価に組み入れられることになります。つまり、残業単価が高くなるということです。
そこで、裁判でも認められるような制度として定額残業代(手当)を実施したいわけですが、法律上の制度でないため、裁判例の積み重ねで判断基準ができていくことになります。その要素はおおむね以下のようになります。

  1. 基本給と別に手当として、定額残業代を支払っていること
  2. 定額残業代で法に定める割増賃金等を支払う旨を明示している(合意している)こと
  3. 実際の時間外労働等についての割増賃金額が、当該手当の額を超える場合、その差額を支払う旨明示していること
  4. 当該手当に含まれる割増賃金の種類を明示していること
  5. 当該手当に含まれる時間外等の労働時間数を明示していること

となります。
このうち、①~③は必ず行う必要があると考えていただいた方がよろしいと思います。さらに、法的リスクを少なくするには、④、⑤行うことが望まれます。
事業所様としましては、上記要素を参考に、事業運営と法的リスクのバランスを考えて制度設計を行っていただくことになります。

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