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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、
タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第98号 平成31年3月4日

有給休暇管理について

2019年4月から、全ての使用者に対して「年5日の年次有給休暇の確実な取得」が義務付けられます。
年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合は罰則もあります。この改正に対応するためにも、有給休暇の基本を確認します。

有給休暇基本ルール

上記は、管理監督者や有期雇用の方にも当てはまります。最低限のルールですので、仮に上記を満たしているにも関わらず与えていなくても10日の権利は発生しています。
その後継続勤務年数に従い下記の表の通りの付与日数となります。

パートの方で週2日等所定労働日数が少ない方は、上記ルールの例外で所定労働日数に応じた日数が与えられます。

有給休暇付与ルール
  1. 有給休暇取得のタイミング → 従業員の請求する日に与えること
  2. 有給休暇の繰り越し → 有給休暇の請求権の時効は2年(上記の表の隣合う2つの合計)
  3. 不利益取扱いの禁止 → 有給休暇を取得した日を欠勤扱いにしたり、賃金の減額をしたりすることはできません。
有給休暇を管理しやすくする方法

上記、基本ルールの通り有給休暇の発生日は入社日によって異なるため、人ごとに管理する必要があります。今回の改正により、人ごとに管理する項目も増えるため、有給管理だけでも細やかな管理が必要となります。管理しやすくするためには、以下のような方法があり、すでに導入している事業所も多いです。

  • 付与日の統一…………………例)4月1日に一斉に付与
  • 基準日の統一…………………例)月途中入社の場合は月初に統一
  • 有給休暇の分割付与…………例)入社日に5日、6か月後に残りの5日を付与

ただし、上記のような方法を導入すると弊害もあります。3つの例すべてに当てはまりますが、基本ルールで確認した請求権の時効は付与日に発生するため、基本ルールの与え方であれば時効は最大で2つだったものが、3つ以上となります。給与ソフト等で有給休暇の管理をしていることも多いと思いますが、給与ソフトの多くは時効は2つまでしか管理できないことが多く、誤った運用に陥る可能性が高いです。勤怠管理ソフトでは、基本的に管理できますが、給与ソフトとの連携が十分といえないケースが多いです。

例)

2019年4月からの法改正にあたり厚生労働省HP上に「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について各種リーフレットが公開されています。上記内容と重複する部分も多いですが、他の取組み例等もありますので参考にしてください。

【参考】年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説
https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf

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