契約社員やパート・アルバイト(非正規労働者)と、正社員との格差の可否について、9月に重要な判断が示される予定です。9月15日に最高裁判所が、東京メトロの子会社「メトロコマース」の元契約社員と、大阪医科大の元アルバイト職員が、正職員との待遇格差の是正を求めて起こした2件の訴訟で、弁論を開くことを決めました。これにより、9月末くらいには裁判所の判断が示されると思われます。
両件において問題となっている点は、賞与と退職金の待遇差となります。
メトロコマース事件においては、非正規労働者に退職金の支給はありませんでした。これに対し東京高裁は、「少なくとも長年の勤務に対する功労報償の性格有する部分に係る退職金すら一切支給しないことについては不合理と言わざるを得ない」としたうえで、少なくとも正社員の25%は認められるとしています。
また、大阪医科薬科大学事件においては、非正規労働者に対し賞与の支給はありませんでした。これに対し大阪高裁は「正社員として賞与算定期間に在籍し、就労していたことそれ自体に対する対価としての性質を有する以上、同様に就労していたアルバイト職員、とりわけフルタイムのアルバイト職員に対し、全く支給しないとすることは不合理というしかない」としたうえで、賞与支給基準の60%を下回る支給しかしない場合は不合理な相違になるとしています。
今回、この2つの判断の正当性が争いになりました。これからの同一労働同一賃金を考えるにあたり重要な判断となりますので注目していただければと思います。
今年度の最低賃金につきましては、現時点(8月中旬)では正式に決まっておりませんが、審議会の意見が出されておりますので、ご案内させていただきます。
東京都 1,013円(±0円)
神奈川県 1,012円(+1円)