社会人の学び直しが話題となっていますが、雇用保険の教育訓練給付制度をご存知でしょうか。教育訓練給付制度とは、労働者の主体的なスキルアップを支援するため、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練を、自ら費用を負担し受講・修了した方に対し、その費用の一部が支給される制度です。
給付金の対象となる教育訓練の講座は、そのレベル等に応じて、専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練の3種類があります。
専門実践教育訓練介護福祉士、看護師、専門職大学院の課程など、特に労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練が対象となります。
受講費用の50%(年間上限40万円)が訓練受講中6か月ごとに支給されます。
介護職員初任者研修、大型自動車第一種・第二種免許、税理士など、特に労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練が対象となります。
受講費用の40%(上限20万円)が訓練修了後に支給されます。
英語検定、簿記検定、ITパスポートなど、雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練が対象となります。
受講費用の20%(上限10万円)が訓練修了後に支給されます。
教育訓練給付を受けるには、雇用保険の加入期間などの条件があります。パート・アルバイトや派遣労働者の方も対象です。
現在雇用保険に加入している、もしくは離職して1年以内の方で、雇用保険の加入期間が1年以上ある場合に、教育訓練給付が受けられます。以前支給を受けたことがある方でも、前回の支給日から今回の受講開始日までに雇用保険の加入期間が3年以上あれば、再度支給を受けることができます。
教育訓練給付金の支給申請は、お住まいを管轄するハローワークで受付しています。
教育訓練給付の対象の講座は、厚生労働省のホームページでも見ることができますので、検索してみてはいかがでしょうか。
健康保険は75歳到達日まで加入することができますが、厚生年金保険は70歳到達日までの加入となります。 (ちなみに雇用保険には年齢要件はございません。)
70歳到達日とは、70歳になる誕生日の前日のことをいいます。
70歳到達日でもって厚生年金保険の資格喪失となるため、被保険者ではなくなりますが、新たに『70歳以上被用者』に該当することとなります。
70歳以上被用者の報酬月額は、標準報酬月額ではなく、標準報酬月額相当額を用います。
また70歳以上被用者期間は、被保険者期間とは異なりますので、厚生年金保険料の徴収もございませんし、年金額にも反映されません。
それでは、70歳に到達する従業員がいる場合にどうしたらよいのでしょうか。
2つのパターンに分けてご説明いたします。
日本年金機構の方で厚生年金保険の資格喪失ならびに70歳以上被用者の登録手続きを自動的に行います。
②70歳到達後の給与額に変更が生じる場合日本年金機構より『70歳到達届』(厚生年金保険被保険者資格喪失届・70歳以上被用者該当届)が届きますので、変更後の報酬月額を記入の上、提出してください。
変更後の報酬月額が標準報酬月額相当額として登録されます。
なお、健康保険に関しましては、変更前と変更後の報酬月額に2等級以上の差が生じた場合に限り、通常の月額変更届の手続きが発生いたします。
70歳到達後の報酬月額を変更する場合、年1回提出している算定基礎届の結果が反映されるまでの間、健康保険の標準報酬月額と厚生年金保険70歳以上被用者の標準報酬月額相当額の等級が異なるケースが生じますのでお気をつけください。
また、年金受給資格を有している方で、厚生年金保険被保険者期間中、年金が支給停止となっていた場合、70歳以上被用者期間中の報酬月額が70歳到達前と変わらなければ、引き続き年金額は支給停止となります。
最後に厚生年金保険の70歳以上被用者である従業員が退職した場合のお手続ですが、
『健康保険被保険者資格喪失届・厚生年金保険70歳以上被用者不該当届』の提出が必要となります。
また、70歳以上の方を新たに雇い入れた場合ですが、『健康保険被保険者資格取得届・厚生年金保険70歳以上被用者該当届』の提出が必要となります。
ご不明点等ございましたら、お問い合わせ頂ければ幸いです。