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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第85号 平成29年1月1日

給与計算ソフトでの給与支払報告

年末調整が完了したあとも、年明けから給与担当者の忙しさは続きます。今回は、事務的な作業の割合が大きい「給与支払報告書」の基本についてお伝えし、給与ソフトでできることを考えます。

「給与支払報告書」とは何なのか?

給与支払報告書は個人別明細表と総括表の2つで1セットとなったものを指します。

・個人別明細書とは

書かれている内容は源泉徴収票と同じです。給与を受ける者の氏名、住所、生年月日、給与の金額、保険料控除の金額などが書かれています。違いは、「提出先が税務署ではなく市区町村であること」と「用途が住民税と国民健康保険の計算」であることです。

・総括表とは

個人別明細表の表紙としてお考え頂ければと思います。その市区町村には、その会社から何人の従業員の個人別明細書が提出されたのか、うち退職した人は何人いるか、などが記載されます。そのため、従業員が住んでいる市区町村の数だけ総括表と個人別明細書がセットとなった「給与支払報告書」を作成することになります。

いつまでに提出しなければならないのか?

給与支払報告書の提出期限
1月31日までに市区町村に提出しなければなりません。(31日が土日祝と重なる場合には、次の平日となります)実務の肌感覚としては、年末調整が予定していたスケジュール通り終わっているのであれば、給与支払報告書を提出期限までに提出するということは、そこまで負担が大きい作業ではありません。

提出が遅れるとどうなるのか?ペナルティは?

もしも提出が遅れてしまい6月の住民税の賦課作業に間に合わなかった場合には、本来は1年分の住民税を12ヶ月に分けて納付するところが11ヶ月や10ヶ月となってしまい1ヶ月辺りの住民税の金額が高くなってしまいます。従業員の負担が増えてしまうことを考えても、期限内に提出することが望ましいです。

給与支払報告書の提出対象者

「給与支払報告書」の提出に該当する人は、前年1年間のうちに給与を支払った全員です。1月1日現在時点で在職している人はもちろんのこと、年の途中で退職した人・1回でも給与を支払った人も該当します。

【給与ソフトでの給与支払報告書作成】
前号でも少し触れましたが、年末調整計算を給与ソフトで済ませている場合は、源泉徴収票の発行と同様に給与支払報告書の個人別明細書も発行は容易にできます。総括表については、マスタの設定がきちんとされていれば作成は簡単ですが、少し注意が必要です。
どの給与ソフトでも個人マスタの中に、給与支払報告書送付先と住民税納付先の2つを設定する項目があります。基本的にはこの2つは同様の市町村になるのですが、前年に転居等をされ住所が変更になった従業員がいる場合は、今回の年末調整までに個人マスタの住所を変更しているはずですが、先程の給与支払報告書送付先も変更していないと総括表作成の際に、対象市町村への報告人数がずれてしまうことになります。以下のような変更のタイミングで確認しておけば、給与ソフトから作成したものでの提出が余裕をもってできます。

【変更のタイミング】
給与支払報告書送付先 → 12月頃 年末調整書類確認時
住民税納付先 → 5月中旬以降 住民税決定通知書確認時

この記事を書いている現段階では、年末調整真っ只中で給与支払報告書まで頭がまわっておりませんが、やはり年末調整書類をチェックする段階で給与ソフトの設定等の不備や漏れを細かく確認することで、その後の業務の流れがスムーズになり、結果的に間違いも起こりにくくなります。給与支払報告書に関する手続きは基本をおさえてしまえば、毎年同じですので、来年の忙しさが今年より少しでも軽減できるよう、また日々の業務が少しでもスムーズになるよう、設定等の見直し、不使用項目へのチャレンジをしていただきたいと思います。

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