冒頭、未払い残業代の時効延長について取り上げています。未払い残業代と言っても、残業があるにも関わらず残業代自体を全く払っていない未払いから、残業代自体は払っているが計算方法に誤りがあり金額として不足分がある未払いまで、様々なケースがあります。そこで、以前に取り上げたこともありますが、残業代計算を正しく計算するためには、計算方法に一定のルールがありますので、ルール通りの計算ができているか再確認をしていきます。
【時間単価の計算方法】 月の所定賃金額÷1か月の平均所定労働時間数
ベースとなるのは基本給ですが、各種手当があれば月の所定賃金額に含まれます。以下の①~⑦の手当については労働とはあまり関係ない従業員の個人事情による手当なので含まれません。(※支給方法により含める必要がある場合もあります)
月の所定労働時間数は毎月変動するため年平均で月の労働時間数をカウントすることになっています。
以下の例を参考に自社の1か月平均所定労働時間を確認してください。
例)1日8時間労働で、完全週休2日制、祝日、年末年始休日他がある企業(年365日)
月給・日給月給者(前記具体例企業での場合)
上記ルールにそって計算すると 月の所定賃金額:320,000円
(基本給と資格手当は算入。1.のルールにより家族手当と通勤手当は除外)
320,000円÷160時間=2,000円 従業員Aの時間単価:2,000円です。
あとは就業規則等で定めている割増率をかけていきます。
従業員Aが、20時間残業した場合 → 2,000円×1.25×20時間=残業代:50,000円
となります(1.25は、時間外労働の法定割増率)。
※時給・日給者の場合は時給・日給以外に月単位の手当等を支給する場合は月給者と同様に手当額を対象者の1か月平均所定労働時間数で割って求めた時間単価をプラスして計算する必要があります。
毎年、最低賃金額も上がっており、特に今年は東京都や神奈川県では例年通りでいくと最低賃金額が1,000円を超えます。時給・日給者だけでなく月給・日給月給者も自分の時間単価について関心が高まることが予想され、インターネット等の普及で容易に計算・確認ができます。まずは、自社の計算方法が正しくされているか、再確認してみましょう。不明点等ございましたらご連絡ください。