今年の算定基礎届の提出期間は7月1日~7月12日です。
7月1日に在籍している、健康保険・厚生年金保険の全被保険者が対象となります。
4月、5月、6月に支払われた報酬の平均で、9月以降の標準報酬月額を決定します。これを定時決定といい、ここで決定した標準報酬月額が、その後1年間の各月の社会保険料に適用されます。
今回より総括表が廃止となり、算定基礎届のみを提出することとなりました。
昨年から引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から従業員を休業させ、休業手当を支払っている事業所も多いかと思われます。
算定基礎届に記載する報酬を計算する際、休業手当は労働の対象として報酬に含めます。また、支払基礎日数においても、休業手当を支払った休業日を含めて記載します。
在宅勤務をしている従業員がいる場合、交通費は報酬に含まれるでしょうか。
基本的に、その労働日における、労働契約上の労務の提供地が自宅か事業所かに応じて、取り扱いが変わります。
【労務の提供地が自宅の場合】
労働契約上、その労働日の労務提供地が自宅とされており、業務命令により事業所等に一時的に出社し、その移動にかかる実費を事業主が負担する場合、交通費は実費弁償となり、報酬には含まれません。
【労務の提供地が事業所の場合】
在宅勤務をしている従業員で、その労働日が事業所での勤務となっており、自宅から事業所に出社するために要した費用を事業主が負担する場合、この交通費は、通勤手当として報酬に含まれます。
では、在宅勤務手当の取り扱いについてはどのようになるのでしょうか。
手当の取り扱いや内容は事業所ごとに異なるものとなりますので、個別に判断をする必要があります。基本的な考え方は以下の通りです。
【在宅勤務手当が、労働の対償として支払われる場合】
在宅勤務手当が、被保険者が在宅勤務に通常必要な費用として使用しなかった場合でも、事業主に返還する必要がないものであれば、報酬に含まれます。例えば、従業員に対して毎月5,000円を渡し切りで支給するものは報酬となります。
【在宅勤務手当が実費弁償に当たる場合】
在宅勤務手当が、テレワークを実施するに当たり、業務に使用するパソコンの購入や通信に要する費用を従業員に支払う場合、その手当が、業務に必要な費用にかかる実費分に対応するものとします。その場合、この手当は実費弁償に当たるものとして、報酬に含まれません。
休業や在宅勤務が増え、それぞれの従業員に対する報酬の計算が複雑なものとなるかと思います。算定基礎届においても、届出の金額に注意しましょう。