出産にかかる社会保険、雇用保険のお手続きはご存知でしょうか。被保険者、または配偶者の出産の際にかかるお手続きについてご案内致します。
社会保険の被保険者が出産のための産前産後休業を取得した際には、毎月給与より天引きしている社会保険料が免除になります。産前42日、産後56日のうち、妊娠や出産のため働いていない期間について社会保険料の支払いが不要となり、被保険者負担分だけではなく、折半負担をしている事業主負担分も免除となります。
産前産後休業が終了し、その後育児休業を取得する場合も、同様に休業中の社会保険料は免除されます。
また、育児休業は男性でも取得できます。育児休業の制度は令和4年10月より分割での取得が可能になるなど、一層取得しやすくなるようです。休業期間を分割できることで、男性と女性が交代しながら育児休業を取得することも可能となります。
出産にかかる費用は基本的に自己負担ですが、健康保険より出産育児一時金が支給されます。金額は1児につき42万円(産科医療補償制度未加入の病院は40万8000円)で、妊娠4か月以上の出産(死産含む)に対して支給されます。直接病院に支払われる仕組みとなっているため、病院から請求される出産にかかる費用は、出産育児一時金を差し引いた金額となります。
なお、健康保険組合に加入している被保険者には、付加給付がある組合もありますが、金額は健康保険組合にご確認ください。
出産のため働けない期間の収入保障として、健康保険より出産手当金という給付が受けられます。産前42日、産後56日のうち給与が支払われなかった期間に対し、給与のおよそ3分の2が支給されます。なお、給与が一部支給される場合には、出産手当金が一部控除して支払われることとなります。
産後56日を過ぎ、引き続き育児休業を取得する女性、または出産日以降に育児休業を取得する男性は、雇用保険の育児休業給付金を請求できます。子が1歳になるまでの期間受給でき、さらに保育施設に預けられないなどの事情があれば、子が2歳になるまでの延長が可能です。支給額は、休業開始から180日に達するまでは賃金日額の3分の2、以降は50%となります。
子の健康保険加入も忘れずに行いましょう。父、母どちらかの扶養に入れる手続きが必要です。共働き夫婦の場合、原則として収入の多い方の被扶養者となります。
以上の手続きは、社会保険、雇用保険に加入している被保険者にかかる手続きであり、雇用形態は問われません。例えば雇用保険の場合、有期雇用やパート勤務でも、①1年以上雇用されている、②子が1歳6か月になるまでに期間満了することが明らかでない、という要件を満たせば対象となります。