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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、
タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第126号 令和5年11月1日

労災保険 特別加入

労働者災害補償保険は、本来、労働者の災害に対する保護を目的としており、事業主などの労働者以外の方は対象となりません。ただし、その業務の実情、災害の発生状況などからみて、特に労働者に準じて保護することが適当であると認められる一定の方には、特別に任意加入を認めています。これが、特別加入制度です。

特別加入ができる者
  • 中小事業主等
  • 一人親方その他の自営業者
  • 特定作業従事者
  • 海外派遣者

それぞれ加入の要件があります。
例えば、中小事業主の場合は4つの要件があり、

  1. ①使用する労働者の数が事業ごとに定められた数以下であること
  2. ②その事業について労災保険関係が成立していること
  3. ③労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託していること
  4. ④中小事業主及びその者が行う事業に従事する者を包括して特別加入すること

以上が要件となっています。

特別加入の効果

特別加入をすると労働者とみなされ、業務災害や通勤災害に関する保険給付が、一定のものを除き、行われます。
あくまで、労働者の行う業務に準じた業務の範囲が保護の対象となりますので、例えば、事業主が経営者として行う業務による災害の場合には、労災として認められません。
また、保険給付額の基となる給付基礎日額は、一般の労働者は平均賃金に相当する額が給付基礎日額となりますが、特別加入者の場合は、特別加入者が希望する金額を選択することとなります。

特別加入の対象が広がりました

近年の法改正により特別加入できる対象が増えています。
令和3年には「自転車を使用して貨物運送事業を行う者」、「ITフリーランス」が特別加入の対象となりました。これまで、自動車及び原動機付自転車を使用して貨物運送事業を行う者を、一人親方等として特別加入の対象範囲としていましたが、自転車を使用して貨物運送事業を行う者も、特別加入の対象となっています。

特別加入の手続きについては弊社でも代行しております。詳細についてはお問い合わせください。

通勤費の見直しをしてみましょう!

首都圏では今年の4月、7月、直近では10月にも公共交通機関の運賃改定が実施され、給与計算担当者にとっては変更が多く例年になく大変な年となっています。運賃改定に伴う事業所への通勤経路変更申請書類について頭を悩ませている担当者も多いのではないかと思います。事業所ごとにルールが異なる通勤費についてあらためて確認、見直しをしてみましょう。

【通勤費のルール・取扱い】
通勤費のルール・取扱い

通勤費の取扱いとして決まっていることは基本的には上記のみのため、それ以外の事項については事業所にて定めることとなります。それでは、どのような事項を決めるべきかを以下にいくつか列挙してみます。

  • 支払方法:給与振込・現金支給・経費精算・現物(定期券)支給・回数券支給
  • 計算方法:日額(IC or 切符)×出勤日数・定期券による月額(6か月・3か月・1か月)
    ※両者を比較し低額な方の金額を支給することも多いケースです
  • 対象期間:定期券有効期間・給与締日と同様・暦月
  • 変更時:月途中の変更であれば翌月より変更、旧定期券精算の上、新定期券購入、新旧通勤費を日割計算

どの方法がよいのかは事業所ごとで違いますが、定期券は事前に購入することが多く、日々購入するものではないため、これを基本とすると決めやすくなります。例えば毎月1か月分定期代を当月25日に支給(給与締日:前月16日~当月15日)している場合は、当月15日までに購入しているはずなので、当月25日支給の通勤費は旧定期券代のままとなります。事業所が都合よく考えているような気もしますが、従業員の中には6か月分定期券を購入し、多少浮かせている方もいます。最近では切符を見ることも少なくなり、定期券もスマホに入るようになり管理が難しくなっていることを考えると、ますます従業員にきちんと説明ができるような不公平感のない方法が必要とされますので、ぜひ検討ください。また通勤経路の把握も何十年前の入社以来していないケースもあるので、再確認をしましょう。

今年は4月以降ほぼ毎月のように行っている、運賃改定にともなう通勤費変更による社会保険での月額変更の確認が必要となります。事業所の締日、通勤費の変更方法等により月額変更の確認をするスタート月が異なります。運賃改定による通勤費の変更での2等級変動は起こりにくいですが、もれなく確認をしたいものです。不明点があれば事務所まで連絡ください。

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