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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第64号 平成25年7月1日

労働基準監督署の調査って何?

労働基準監督署官には、労働基準法等の法律に基づいて会社や寄宿舎等に立ち入り、書類等を見たり、使用者や従業員に質問をして、労働基準法等の法律が守られているかを調査し、会社や個人事業を監督指導する権限があります。
労働基準監督署の調査のことを「臨検」といい、臨検には次のものがあります。

臨検監督の種類

臨検監督の種類

調査には事前の連絡があるの?

事前に文書や電話等で、調査の日時を指定して労働基準監督官が来社するケース。事前に文書や電話等で調査の日時を指定して労働基準監督署への呼び出しがあるケース。そして予告なしに突然監督官が来社するケースがあります。予告なしに監督官がやってきても、原則調査を拒否することはできません。
ただし、社長や担当者が不在だったり、業務の都合上、その場で調査への対応ができない場合には、日程変更の相談はできます。この場合でも日程の変更が可能ということであって調査そのものがなくなるわけではありません。

調査の際に求められる書類は?

調査の目的にもよりますが、一般的に調査で求められる帳簿書類は次の通りです。

  • 会社組織図
  • 労働者名簿
  • 就業規則
  • 雇用契約書(労働条件通知書)
  • 賃金台帳(賃金明細書)
  • タイムカード(出勤簿)
  • 時間外・休日労働に関する協定届
  • 変形労働時間制など、当該企業で必要となる労使協定
  • 変形労働時間のシフト票
  • 有給休暇の取得状況の管理簿(有給休暇届)
  • 健康診断個人票など、定期健康診断の実施状況がわかる資料
  • 総括安全衛生管理者の選任状況のわかる資料
  • 安全委員会・衛生委員会の設置・運営状況のわかる資料
  • 産業医の選任状況のわかる資料
監督官は書類のどこを見るの?

調査の目的にもよりますが、主にタイムカードから長時間労働は有無、賃金台帳から賃金や残業代が適正に支払われているかどうか、安全衛生体制や活動状況、定期健康診断の実施状況などから労働者の安全衛生や健康管理の問題の有無をチェックします。

調査の結果法令違反等があった場合にはどうなるの?

法令違反については是正勧告が行われ、違反事項と是正期日が記載された「是正勧告書」が交付されます。是正勧告を受けた場合、期日までに違反事項について改善をし、改善内容を記載した「是正報告書」を労働基準監督署に提出する義務があります。
なお、是正期日までに改善が難しいようであれば、監督官が相談に応じてくれますので、こまめに進捗状況を報告する等、誠実な態度で対応することをおすすめします。
是正勧告を受けても改善されない場合は、再監督になります。
労働基準監督官には、行政監督権限の他にも司法警察権もあるため、再三の勧告にも従わず無視したり、虚偽の報告を行う等、特に悪質な場合には、書類送検されることもあります。

労働基準監督署の調査の流れ

労働基準監督署の調査の流れ

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