一連のアルバイト店員の悪ふざけ事件から
飲食店やコンビニエンスストアのアルバイト店員らが業務用冷凍庫に入って撮影した画像などをネットに投稿し、店側が謝罪に追い込まれるケースが相次いでいます。
7月中旬以降、8月中旬までには、少なくとも7件が発覚。関係した店員の解雇だけでなく、店が監督責任を問われてフランチャイズ契約を解除されたり、閉店に追い込まれたりするなど、深刻な事態となっています。
今回はこれらの一連の報道から、一部の「若いアルバイト社員の悪ふざけ」対策ということだけではなく、企業の行うべきソーシャルメディアと労務管理の問題として考えてみたいと思います。
ブログ、フェイスブック、ツイッター、ミクシーなど、個人が簡単に情報発信する仕組みに参加する人が増えています。しかし、個人的な趣味の範囲で利用するのであれば個人的な問題ですが、仕事で知り得た情報などをうっかり掲載してしまい、問題となるケースも見られます。
また、社員が個人の立場で気楽に参加するソーシャルメディアでは、個人の考えまるで会社の意見と受けとられ、会社自体が批判の的になってしまうようなこともあります。
このような企業のリスクを回避するために、企業は次のような対策が必要かと考えます。
- 指導・教育をする
ソーシャルメディアを仲間だけのものと誤解している社員に対して、ネット投稿の危険性を教えて、SNSの世界は仲間内だけの世界ではないことを地道に教育することが必要です。
- 誓約書による抑止する
ソーシャルメディアの利用は、通常就業時間外に行われるため、これを制限することは難しいと思われますが、誓約書等により「企業名や部署名の公表はしない」「個人の立場での書込みに限定する」などを認識させます。
なお、就業時間内に書き込みを行った場合は、職務専念義務違反で処罰の対象となります。
- モバイル機器の管理をする
今回のアルバイト社員の騒動の一因がネットへの流出であることを考えると、勤務開始時に携帯電話やスマートフォン等のモバイル機器を会社側が預かり、外部からの緊急連絡は会社の代表電話あてにさせるようルールづけする。
機密情報の漏えいを警戒する会社等では、現に行われているものです。
- 契約により抑止する
トラブル時の対応について「故意に迷惑行為をおこなった場合は、損害賠償行う。」ことや「解雇もありうる」と定める。万一の際の手続きのために必要です。
- 万が一の対応を検討する
ソーシャルメディアでの情報は急速に拡散し、気づいたときには“炎上”していることもあるので、企業としてそのような事態になった場合の対応を事前に検討することも重要でしょう。