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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第73号 平成27年1月1日

寺崎弁護士の法律の窓

川口社労士法人 協力弁護士 寺崎時史氏

前回、リースを利用した金融(ファイナンス・リース)を紹介しました。今回は、ファイナンス・リースが持つ経済的機能を説明します。
税法上、Aさんはリース料全額を損金としてリース期間中費用化(経費として計上)することができます。
これに対して、Aさんが金融業者Bからトラック購入資金の融資を受けてトラックを購入した場合、Bに対する支払利息とトラックの減価償却費を費用化することができます。トラックの減価償却期間は、大きさによって決まりますが、3年か5年と決められてしまいます。しかし、ファイナンス・リースの場合、ファイナンス期間を当事者間で自由に設定できるため、早期に費用化することもできますし、逆に減価償却年数よりも長期に設定して費用化することもできます。
トラックは、技術革新が急速な物件とは言えませんが、コンピュータや通信器機のような場合、減価償却の法定年数(4年から5年の物がほとんどです。)より、リース期間を短く設定することによって、早期の費用化が可能となります。技術革新が急速な物件は、法定耐用年数より早く陳腐化しますので、法定耐用年数に満たない期間で廃棄処分することになり、「特別損失」が出てしまいます。経済的意味では償却不足(完全に費用化できなかった)ということになります。
なお、ファイナンス・リースの行き過ぎた利用(節税を超えた脱税)の問題もあります。物件の法定耐用年数よりも極端に短い期間(例えば、1年)のファイナンス・リースを設定することで、過剰に費用を計上することができるため、Aさんが不当に税負担を免れる結果となります。このようなことに対して政令による規制があります。

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