『時間外・休日労働に関する協定(36協定)違反で送検される』についての最新の記事があります。
関連記事をヨム6協定とは、時間外労働や休日労働を行わせる場合、事前に協定を締結し監督署に届出しなければならないものです。近時、36協定の作成、締結について不適切な運用がなされ、労働基準監督署より指導や最悪の場合送検される事例が見受けられています。12/10付けの読売新聞朝刊によると、36協定が適法に締結されていないとして、横浜南労働基準監督署が会社の取締役を横浜地検に送検したと報じています。労働基準監督署は36協定締結についての指導を強化しているのです。
私どもからも、各事業所様には時間外・休日労働に関する協定、いわゆる36協定の締結につきまして毎年お願いさせていただいているところでございます。しかし、その意義についてのご案内が不十分なこともあったかと思います。そこで、今回のかわら版では、36協定作成・締結について、不適切なケースとそのリスクをご案内させていただきます。
36協定の協定期間を毎年1/1~12/31としているが、協定の締結自体は1月に入ってから行っている。
→36協定は締結し届出後にその効力が発生します。協定の対象期間が1/1~となっていても、実際の協定日、届出日が1/1を過ぎていると、1/1から届出までの期間については36協定の効力はありません。したがって、この間に残業や休日出勤をさせた使用者(部長や社長など)は労働基準法に反し労働基準監督署による指導や悪くすれば送検される可能性があります。なお、毎年選任手続きが行われているのであれば、毎年同一人が選任されることとなってもかまいません。
36協定を締結する際の従業員代表について、何年も前に選任された従業員代表と毎年締結している。
→従業員代表は毎回選任する必要があります。選任手続きを省略していた場合、そこでいう従業員代表と結んだ36協定の効力はありません。そうすると、この協定期間について時間外・休日労働をさせた場合、使用者は上記と同様の処分を受ける可能性がございます。
不適切な36協定の作成・締結についてのリスクについては、使用者が指導・送検されるという行政処分等以外に、民事上のリスクもあります。たとえば、解雇などで使用者と従業員との間に紛争が発生した場合、労働契約自体に関する部分(契約の締結や解除)については労働基準監督署も積極的にはかかわれません。いわゆる民事不介入というものです。しかし、36協定違反となれば、労働基準法違反ということで労働基準監督署からの積極的な関与の可能性が出てきます。そこで、送検でもされるようなことになれば企業としてのダメージは計り知れません。そうなると、送検されることを恐れて、解雇等の民事上の紛争の解決において、相手方の請求を全面的に受け入れざるをえないということにもなりかねません。
そこで、以下では36協定作成・締結についてそのポイントを整理したいと思います。
などが挙げられます。
今年も、36協定の締結のご依頼をさせていただくかと思います。その節はご協力をお願いいたします。