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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、
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第94号 平成30年7月1日

確定拠出年金(DC)を考える

最近、iDeCo(イデコ)に関する宣伝を目にすることがあるかと思います。iDeCoは、個人でやるもので事業所には関係ないと思われている方も多いのではないでしょうか。たしかに、iDeCoは個人型年金で、掛け金の取り次ぎがあるくらいで事業所には関係ない制度かと思います。ただ、同様の年金制度で確定拠出年金(DC)の企業型というものもございます。従来の理解では、掛け金を企業が負担するため、企業型を始めるというのは、新たに退職金制度を始めることと理解され、二の足を踏む事業所が多かったと思います。
しかし、近年、法律改正もあって、企業型の確定拠出年金が注目を浴びています。たとえば、

  1. 給与の一部を減額して、掛け金を拠出するパターン
  2. 給与の減額はしないが、労働者本人が自由に拠出金を決めて給与の一部を拠出するパターン
などがございます。②は、マッチング拠出と呼ばれているものです。実は、今注目を集めているのが、①のパターンです。こちらは、給与の一部を減額するため、所得税や社会保険料を抑えられると考えられるからです。なお、①もいいことばかりではありません。そもそも、給与を減額できるかという、労働条件不利益変更の問題がございます。また、社会保険料を抑えられるということは、将来もらえる年金給付額も抑えられてしまうということになります。
確定拠出年金企業型は、中小企業には関係ないと思われている事業所も多いかと思いますが、労働者5名程度の事業所でも導入実績はございます。昨今の採用難から、先ほどご紹介させていただきましたメリット・デメリットを把握した上で、確定拠出年金企業型を事業所の賃金・退職金制度の一部として取り組まれることもよろしいかと思います。

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