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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、
タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第117号 令和4年5月1日

令和4年4月1日から「パワーハラスメント防止措置」が中小企業の事業主にも義務化されました

事業主に義務化される内容は次の10個となります。

  • ① 職場におけるパワハラの内容、パワハラを行ってはならない旨の方針を明確化し、労働者に周知・啓発すること
  • ② 行為者について、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、労働者に周知・啓発すること
  • ③ 相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること
  • ④ 相談窓口担当者が、相談内容や状況に応じ、適切に対応できるようにすること
  • ⑤ 事実関係を迅速かつ正確に確認すること
  • ⑥ 速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと
  • ⑦ 事実関係の確認後、行為者に対する措置を適正に行うこと
  • ⑧ 再発防止に向けた措置を講ずること
  • ⑨ 相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、その旨労働者に周知すること
  • ⑩ 相談したこと等を理由として、解雇その他不利益取扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること

対応しなければならないことはこんなにもあるのか?とお感じになったかもしれません。この中で最も悩ましいのは⑤以降のハラスメントがあった時の実際の対応となります。「うちの会社ではハラスメントなんてないよ」とお考えの会社様も多いと思います。しかし、今回の義務化でこの考えが危険なものとなります。ハラスメント事案の難しい点の1つとして、相談内容がハラスメントに当たるか否かが分かりにくいということです。相談者が訴えてきた内容が法的にハラスメントに該当する事案に限られるのであれば、相談されるケースは多くないと思います。しかし、実際には法的なハラスメントか微妙なケースが多いのです。事業主にハラスメント防止義務が課された以上、このような微妙なケースに対応しないとすることは大変危険だと思います。現に、東京ディズニーランドの従業員の方がハラスメントを訴えた裁判でも東京地裁はパワハラがあったとは認めませんでしたが、職場環境を調整する義務に会社が違反したとして会社への賠償を認めています。このようなことから、事業主としては、相談者からの申し出に対し、真摯に対応することが求められることになります。しかし、事業主が適切な相談窓口を設置すること(相談を受ける従業員を教育すること)は大変です。また、相談窓口の担当者が行為者である場合も少なくありません。実際、相談窓口の担当者は人事の責任者にすることが多く、リストラなどの案件ではハラスメントの行為者が人事の責任者であるという相談を受けることもあるのです。

パワーハラスメントのイメージ

川口社会保険労務士法人では、このような場合に、相談者や行為者、第三者に対するヒアリング等による事実確認や、事実の評価についての合議体への参加等実積がございますので、従業員からハラスメントの相談がございましたら、その対応について個別にご相談ください。

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