【テーマ】
借用書に貼付する印紙
【質問】
親族から事業資金として1000万円を借りることを検討しています。借用書を作成する際に、印紙を貼付しなければなりませんか。
【回答】
1000万円の借用書作成する場合、1万円の印紙を貼付し、貼付した印紙に消印を押さなければなりません。
【説明】
1 前提
印紙税法は、印紙税法が定める20種類の文書を作成した者に印紙税を納める義務を課しています。印紙税を納めるには、印紙を貼付する方法により、印紙税を納めなければなりません。この20種類の文書のうち一部をあげると、不動産の譲渡に関する契約書、消費貸借に関する契約書(借用書はここに該当します。)、請負に関する契約書があります。
印紙税法が定める20種類の文書に該当するか否かは表題だけではなく、文書の全体から判断されます。したがって、表題が借用書と記載されていない場合であっても、契約書の内容から借用書であると判断される場合には印紙の貼付が必要です。
2 いくらの印紙を貼付すればよいか。
金額についても、印紙税法が規定しており、借用書の金額に応じて定められています。例えば、100万円を超え500万円以下のものであれば2000円、500万円を超え1000万円以下のものであれば1万円、1億円を超え5億円以下のものであれば10万円の印紙の貼り付けが必要です。したがって、質問のように1000万円の借用書を作成する場合には、1万円の印紙を貼付しなければなりません。
ここでは借用書を例にあげていますが、文書の種類や金額に応じて、納める金額が異なるので注意が必要です。
3 印紙の貼り方
印紙税法は借用書等の課税文書に印紙を貼付しなければならないと規定していますが、貼付する場所については規定がありません。したがって、借用書等の課税文書に印紙が貼付されていれば、どこに貼付されていても構いませんが、借用書であれば、一般的には借用書の左上に貼付することが多いです。
そして、印紙を貼付した後には、印紙の再使用を防止するため、貼付した印紙に消印を押さなければなりません。消印が押されていなければ、印紙を貼付したことにならないので注意が必要です。なお、契約書を2人以上にて共同で作成した場合(例えば、契約書を買主・売主の双方が共同して作成した場合があげられます。)には、作成者のうち1人が消印を押せば問題ありません。
4 印紙の貼付や消印を怠ったとしても、借用書の効力には影響ありませんが、脱税となってしまいます。
印紙税法には、過怠税や罰則が定められているので注意するようにしましょう。