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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、
タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第132号 令和6年11月1日

伴弁護士の法律の窓

【テーマ】

給与明細の電子化

【質問】

これまで、社員には給与明細を書面で手渡しや郵送にて交付していましたが、コストや作業効率の関係から、給与明細を書面で交付することは止め、メールで送信する方法に変更したいと考えていますが可能でしょうか。また変更にあたり注意することはありますか。

【回答】

給与明細をメールで送信することについて、社員の承諾があれば可能です。

【説明】

    1 給与明細の交付義務

    まず所得税法は、給与を支払をする者に対し、給与の金額等の必要事項を記載した支払明細書を給与の支払を受ける者(以下、「社員」といいます。)に対して交付しなければならないと規定しており、支払明細書の交付を義務づけています。支払明細書の交付を怠った場合には、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金という罰則があるので注意が必要です。

    2 電子的方法での交付

    次に支払明細を書面ではなく、メールでの送信等の電子的な方法により交付する場合、所得税法は社員の承諾を得ることを必要としています。
    社員の承諾を得た上で、支払明細をメールで送信すれば、支払明細書を交付する義務を果たしたこになります。
    なお、社員の承諾があっても、当該社員が書面での支払明細の交付を希望した場合には、給与を支払う者は当該社員に対し、支払明細書の交付をしなければなりません。

    3 電子明細の要件

    支払明細をメールで送信する場合には、必要事項の記載に加えて、支払明細のデータをパソコン等のディスプレイに表示でき、かつ当該支払明細のデータを印刷できるものでなければなりません。
    支払明細の印刷をロックしてしまうことのないように注意が必要です。

    4 社員の承諾を得る方法

    社員の承諾を得る方法について、所得税法上に規定はありません。所得税法上には規定はありませんが、上記の通り、給与を支払う者に支払明細書の交付を義務づけていることや罰則があることからすると、社員の承諾は事前に説明を行ってから行う等、社員の承諾の意思を明確にしておいた方が良いでしょう。例えば、社員に対し、支払明細を書面からメールでの送信に変更する旨の説明を記載したメールを送信した上で、社員からメールで承諾を得ることが考えられます。
    また、支払明細は社員の個人情報に該当しますので、セキュリティの対策も必要です。メールでの送信であれば、送信先のメールアドレスの確認、メールに添付するデータにパスワードを設定する等の対策が考えられます。

    5 近年、人件費や郵送費のコストの点、明細作成の作業効率の点等から、書面での交付を止め、メール等での交付としている企業が増えています。

    所得税法は、給与明細のメールの交付にあたり、社員の承諾を必要としていますので、必ず取得するようにしましょう。
    また、メールに添付する支払明細のデータが印刷できるものであるかを確認するようにしましょう。

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