本文へジャンプ

機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、
タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第50号 平成23年3月1日

寺崎弁護士の法律の窓

営業売り場担当者が会社の上司から営業ノルマの件で執拗に責められ、その後、会社に行くときにどうきがはげしくなったり、呼吸困難になったりするなどのパニック障害となりました。(但し、労災申請はしませんでした。)就業規則上の6か月の休職期間がもうすぐ満了するので、会社と復職の相談をしていますが、医者の診断は、「当面、1日4時間程度の短時間勤務から業務に復帰するのが望ましい。」とのものでした。しかし、人事部長は、「8時間勤務が出来ないなら、復帰できる状況とはいえないから、自然退職だ。」と言って復職に難色を示しています。どのように考えたらいいでしょうか。

川口社労士法人 協力弁護士 寺崎時史氏 裁判例では、復職の要件たる「治癒」とは、原則として、従前の職務を通常の程度に行える健康状態に復したときをいうとされています。労働者と使用者との当初の労働契約が1日8時間勤務であったとすると、残業をしないでも、少なくとも8時間勤務ができる程度に回復してなければ、「従前の職務を通常の程度に行える」とはいえないのでしょうか。

しかし、労働契約は、人的なつながりのある継続的な契約関係です。そこでは両当事者間の信頼関係(誠実配慮の関係)が重視されます。当初の労働契約上の労務提供ができない限り、「自然退職」または解雇という効果が発生するというのは硬直的すぎます。整理解雇のおいても、誠実配慮の原則上の解雇回避努力義務が認められるのですから、復職する労働者に対して、勤務時間を徐々に増やしていくという復職プログラムで対処する義務があるというべきです。次回は、この問題を経済と法という視点から論じてみましょう。

ひとりごと

みなさんは、「ウーマノミクス」という言葉をご存知でしょうか。これは、womanとeconomicsを合わせた言葉で、「女性経済」を表しています。企業に対しては、女性の活躍の場を創出しようという問題として取上げられています。ここでは、「女性には男性にはない能力がある、女性の能力を活用しようと」という合言葉で象徴されます。私は、女性の能力が男性より優れているとは思っていません(もちろん、男性が女性より優れているとも思っていません)。ただ、女性と男性は違うと思っています。今、日本の経済成長は限界に達しつつあると認識しています。前回は、海外に出て行くことで経済成長できないか考えてみました。日本の社会は男性社会といわれます。つまり、男性社会としてこれ以上経済成長できないのであって、女性社会としてはまだ試みられていないマーケットが存在するのではないでしょうか。女性の能力を活用しようとか、男性より女性が優れているところがあるとかではなく、ただ単に、男性が仕事をやめて女性が仕事をすると変更するだけで、いままでと違う需要が自然と生まれるのではないでしょうか。前回も主張させていただいたように、変化に踏み出すことが成長の鍵ではないかと思っています。
サッカーアジア大会で、決勝ゴールを決めた李選手に対し、その父が事前にかけた言葉は「簡単にプレーを」というものでした。経営も一緒かも知れませんね。

編集後記

今年は花粉飛散量が前年比で8~10倍だそうです。最新の“花粉対策グッズ”が気になります。「花粉を吸着してくれるパジャマ」は花粉やハウスダストといったアレルギーの元になる物質を吸着し、寝苦しい夜を快適にしてくれるそうです。綿100%のソフトな肌触りで、敏感肌の人でも安心して着られる日本アトピー協会推薦品。「洗えるスーツ」はライン崩れやお手入れといった気になる点をすべてクリアしているので、洗濯機で気軽に洗うことができるなんて!室内に入ると安心して、ついつい衣類の花粉除去は忘れてしまいがちですよね。
つらい花粉の季節を快適に過ごすためにぜひ活用してみたいものです。

ページ先頭に戻る

機関紙 KAWA-RA版

社会保険労務士法人ご案内
東京事務所
〒104-0032
東京都中央区八丁堀4-2-1
東京リアル宝町ビル5F
TEL:03-3551-6311
FAX:03-3551-6312
横浜事務所
〒231-0005
神奈川県横浜市中区本町2-15
横浜大同生命ビル2F
TEL:045-210-9260
FAX:045-210-9261

ISMS BS7799認証SRC 認証番号080473

川口社会保険労務士法人の連絡先がご覧になれます