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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第56号 平成24年3月1日

寺崎弁護士の法律の窓

前回に引き続き、組合内部の活動について考えていきます。
「父の会社の取締役を先日理由もなく解任されました。これまで30万円の給与をもらっていましたが、それは父の経営する会社のグループの一つであるレストランの支配人をやっている対価だと思っています。父はワンマンで、私(A)は、他の従業員と同じ扱いをされてきました。自分では、この解任は納得できません。」

川口社労士法人 協力弁護士 寺崎時史氏 Aさんには名目的であれ、取締役としての地位があります。会社は、取締役を正当事由がなくても解任できますが、病気などで取締役の職務が果たせないなどの正当事由がない場合、会社は、取締役に対し、解任によって生じた損害(残任期の報酬、賞与、任期満了時の退職慰労金など)を賠償する必要があります(会社法339条)。
これに対して、Aさんのレストランの「支配人」という仕事には、労働者性が認められるでしょうか。労働者であれば、Aさんには労働契約法で解雇制限規定が適用されます。
労働者とは、労働基準法上では、事業に使用される者で、賃金を支払われる者をいいます(9条)。ここでは、会社とAさんとの間に「使用従属性」があるかが問題となります。
その判断基準として、「指揮監督を受けて働いているかどうか」という基準があります。1.業務従事の指示などにNOが言える自由があるのか、2.会社が業務の具体的内容や遂行法に関して指示をしているか、Aさんから業務報告などをさせて管理しているかどうか、3.勤務時間について、本人の自由がきくかどうか、4.支配人の仕事が他人でもできるかどうか、などで判断します。
また、報酬30万円が支配人としての仕事の労務対償といえるか、ということもその判断基準となります。

ひとりごと

最近は、事務所の中にいることが多く、通勤以外全く外に出ない日も月に何日かあります。こんなことをしていて、ついに体重が10キロ増えてしまいました。私は、久々にお会いする人からよく、「また痩せた」といわれます。さすがに今回だけはだれにもいわれません。
今後は、お客様サービスのため(本当は自分の健康のためかな)、できるだけ皆様のところへお伺いしたいとおもっています。その時は、どうぞよろしくお願いいたします。

編集後記

あの震災からもう1年。 私の地元・鎌倉では震災発生直後から、観光客の姿が街から消えました。計画停電に、食糧・ガソリンを求めて何時間も並ぶ列。日常が一変したのと同時に被災地の苦労を想い、誰も観光を楽しむ余裕はなかったと思います。
閑古鳥が鳴いていた街に少しずつ観光客の姿が戻ってきたのは、桜や海棠、牡丹といつもと変わらず咲く花に誘われて。自然の脅威と共に、自然の優しさにも気が付かされました。
今年の3月11日は日曜日、皆様はどのように過ごされるでしょうか。鎌倉では鶴岡八幡宮をはじめ市内の神社仏閣、キリスト教によって宗教を超えた珍しい合同法要が行われるそうです。どんな形であれ、3月11日はあの日、そしてこの1年を振り返らずにはいられない1日になりそうです。

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