男女ともに、仕事と家庭の両立が出来る働き方の実現を目指し平成21年に育児・介護休業法が改正されました。しかし、従業員が100人以下の事業主については、①短時間勤務制度、②所定外労働の制限、③介護休暇の適用が猶予されていました。
この制度が平成24年7月1日より全面施行され、100人以下の事業主にも義務化されるようになります。ここからは各制度の概要と対象となる従業員、および注意点を紹介していきます。
1.短時間勤務制度
制度の概要
- 事業主は3歳に満たない子を養育する従業員について、従業員が希望すればできる、短時間勤務制度を設けなければなりません。
対象となる従業員
- 3歳未満の子を養育する従業員(日々雇用者を除く)であって、短時間勤務をする期間に育児休業をしていないこと。
- 1日の所定労働時間が6時間以下でないこと。
- 労使協定により適用除外とされた従業員でないこと。
注意点
- 短時間勤務制度は1日の労働時間を原則として6時間とする措置を含むものとしなければなりません。
2.所定外労働の制限
制度の概要
- 3歳に満たない子を養育する従業員が申し出た場合には、事業主は、所定外労働時間を超えて労働させてはなりません。
対象となる従業員
- 原則として3歳に満たない子を養育する全ての男女(日々雇用者を除く)
注意点
- 所定外労働制限の申し出は、1回につき、1ヶ月以上1年以内の期間について、開始予定日と終了予定日等を明らかにして、開始予定日の1カ月前までに事業主に申し出る必要があります。
3.介護休暇
制度の概要
- 要介護状態にある対象家族の介護、その他の世話を行う従業員は、事業主に申し出ることにより、対象家族が1人であれば年に5日まで、2人以上であれば年に10日まで、1日単位で休暇を取得することができます。
対象となる従業員
- 原則として、対象家族の介護、その他の世話をする全ての男女従業員(日々雇用者を除く)。
注意点
- 介護休暇は年次有給休暇とは別に与える必要があります。
- 対象家族とは、配偶者、父母および子、配偶者の父母、また従業員が同居し、かつ、扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫を指します。
- 介護休暇の申し出は、休暇を取得する日や理由等を明らかにして、事業主に申し出る必要があります。
また、各制度共通の注意点として、就業規則に規定される等、制度化された状態になっていることが求められ、ただ運用が行われているだけでは不十分です。