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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第59号 平成24年9月1日

寺崎弁護士の法律の窓

業務災害と労災給付・損害賠償について(前号に引き続き)
川口社労士法人 協力弁護士 寺崎時史氏

私は、「Y銀スタッフサービス」という会社に雇われ、「Y銀行」に派遣されています。

このたびY銀行との6か月の派遣期間が満了しましたが、私はY銀行の指揮命令下で働いていましたし、Y銀スタッフサービスはY銀行にのみ労働者を派遣する会社でY銀行のグループ(100%子会社)です。私は、Y銀行との間で雇用関係があるのではないでしょうか。

派遣労働者は、毎日、派遣先に出社し、派遣先の上司の指揮命令に従い働いているので、派遣先と雇用関係があるとの認識を持つことがあります。

しかし、労働者派遣の法律関係は、派遣元(Y銀スタッフサービス)が派遣労働者と結んだ雇用契約に基づく雇用関係を維持したままで、派遣労働者の同意・承諾の下に派遣先(Y銀行)の指揮命令下で労務給付をさせるものであり、派遣労働者と派遣先との間で雇用契約を持たないものであるとされています(派遣法2条1項)。裁判例では、①派遣労働者と派遣元との雇用契約の作成、就業条件明示書の交付、②派遣労働者に対して派遣元から給与が支給されていること、③派遣先での派遣労働者と派遣先の労働者との扱いの違い(呼称)、④派遣元と派遣先との労働者派遣契約が締結され、それに従って、派遣先が派遣労働者を受け入れていること、⑤派遣先が派遣元に派遣料を支払って、派遣元が派遣元の給与体系に従って、前述のように派遣労働者に給与を支払っていることなどの事実に照らすと、派遣先と派遣労働者との間の法的関係について、原則として労働契約が成立することはない、としています。

ひとりごと

オリンピックが閉幕しました。
閉会式では、私でも知っているような大物ミュージシャンが登場し、音楽の祭典でした。他国の人が楽しめる文化がありうらやましく感じましたね。
日本はオリンピックの誘致のため積極的に活動をおこなっています。日本でオリンピックが行われたとき、その閉会式で日本の文化を示すとしたら何になるのでしょうか。考えても思いつかないでいたときに、「コミックマーケット」に”無縁企業”続々出展というニュースを見ました。日本で行われるオリンピックの閉会式はサブカルの祭典というのはいかがでしょうか

編集後記

まだまだ暑い日が続きますが、最近では日の入りの時間も早くなり始め、秋の足音を感じずにはいられません。ところで、私の実家の送り盆は、海岸の道路沿いに松明を焚き、海に灯篭を流す風習があります。アーチ状に湾曲した海岸線を、無数の明かりが浮かび上がらせる風景は、なんとも幻想的です。そして、松明の火が弱まり、灯篭も沖へと流れていった頃、花火が夏の夜空を彩るのです。この花火を観ると、夏が終わるなぁ、と感じるのですが、残念ながら今年は観る事が出来ませんでした。来年こそは!と意気込んだところで、どこからか鬼の笑う声が聞こえたような気がします。

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