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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第62号 平成25年3月1日

職場のパワーハラスメント

職場のパワーハラスメント(パワハラ)とはどんなことをいうのか、上司が強い口調で、きつい言葉で注意や指導をしたらそれはパワハラになるのか、目標設定を高くしたらパワハラなのか。
これから4月に向けて新入社員をむかえる職場では、新入社員に対してどのように指導をしていけばよいのは、悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。
職場で日常的に行われている指導や注意などの業務上のやりとりが、適正な範囲を超えると、パワハラとなり相手を傷つけてしまうことがあります。

パワハラの定義

パワハラについては、昨年厚生労働省が、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義づけました。
例えば、「殴られたり、物を投げつけられる」「皆の前で侮辱されたり、ひどい暴言を吐かれる。」といった「罵倒・威嚇」や「暴力」など表面化するものもあれば、「仕事上明らかに不要なこと、遂行不可能なことを強要される。」「能力や経験から到底無理な程度の高い仕事を強要される」「能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を強要される」「挨拶をしても無視され、会話をしてくれない。」などの「過大な要求や過小な要求」「無視」といった陰湿なものもあります。

パワハラ事例

パワハラによりうつ病を発症して自殺し、労災認定されたある事件では、製薬会社の営業所に勤務する男性社員が、当時の上司から、「存在が目障りだ。消えてくれ」「給料泥棒」などの叱責を繰り返されていました。上司の行為は、男性社員の人格や存在自体を否定する暴言であり、仮に上司に指導的な意図があったとしても、本来の業務としての指導の範囲を超えていたといえます。

4人に一人がパワハラの被害者

昨年12月に発表された、国として初となる職場のパワーハラスメントに関する実態調査(「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」)によると、「過去3年間にパワハラを受けたことがある」と答えた従業員は25.3%と4人に1人の割合となっていました。もし、皆さんの職場で調査をしたら、どのような結果になると思われますか。

そもそも労働契約は、労働者と使用者(会社)が対等な立場で締結するものですが、実際仕事をする上では、指揮命令する人と指揮命令される人という、明らかな上下関係が存在するのが事実です。
ただし、この上下関係は仕事上のものだけであって、人格の上下関係ではないことを、まず認識すべきでしょう。

職場は人の集まりです。人それぞれ感じ方が違います。そして、近年は働き方が変化して、職場の人間関係が希薄化してきているといわれます。このような職場では些細なことから人間関係が壊れてパワハラへと発展してしまうと考えられます。
パワハラのない職場にするためには、お互いが尊重し合い、人間関係が良好な職場を築いていくことが必要といえるのではないでしょうか。

「あかるい職場応援団」ポータルサイト

なお、厚生労働省は、平成24年10月1日より、職場のパワハラの予防・解決に向けたポータルサイト「みんなでなくそう!職場のパワーハラスメント あかるい職場応援団」を開設しました。これは、同年3月に「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」が発表した「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」をもとに、予防・解決への社会的気運を盛り上げるための周知・広報ツールの一つとして設けられたものです。

このサイトではパワハラの概念や、職場での取り組みの必要性についてわかりやすく説明されています。また、企業のパワハラ取組み事例や、パワハラ裁判例の解説なども掲載されています。経営者や人事労務ご担当者の方は、一度ご覧いただくことをおすすめいたします。

厚生労働省
ポータルサイトURL http://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/

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