昨年12月1日より2015年学卒予定者の就職活動が解禁され、いよいよ本格化してきています。また、2013ユーキャン新語・流行語大賞では「ブラック企業」がトップテンに選ばれるなど、ブラック企業という言葉もすっかり定着し、社会での見方も確実に変化してきています。また厚生労働省は、昨年9月に若者の使い捨てなどが疑われる「ブラック企業」の調査を初めて実施し、対象の5111事業所のうち82%に当たる4189事業所で労働基準関係法令の違反が見つかったと発表しました。
そのような状況の中で今回は、新卒採用だけでなく中途採用や社会の目からも、ブラック企業と言われないための国や団体を通じた施策・取組みをいくつかご紹介します。
<内容>
一定の労務管理の体制が整備されており、若者(35歳未満)のための求人を提出し、通常の求人情報よりも詳細な企業情報・採用情報を積極的に公表する中小・中堅企業を「若者応援企業」として、企業が名称を一定期間使用することができるようにするなどして、若者の採用・育成に積極的であることを企業がPRできるようにする事業のことです。
<基準>
<内容>
ダイバーシティ経営とは、これからの日本企業が競争力を高めていくために、必要かつ有効である戦略として、多様な人材(女性・高齢者・外国人・障がい者等)を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営のことです。
<応募資格等>
具体的には、「ダイバーシティ経営企業100選」と「ダイバーシティ促進事業表彰」の2つがあり、「ダイバーシティ経営企業100選」は大企業部門と中小企業部門に分けての募集となっています。民間企業であり、過去3年間において労働関連法令等の違反がなく、反社会的勢力とのつながり等がなければ応募資格があります。
<内容>
各分野の専門家が力を合わせて発足したプロジェクトであり、ブラック企業による被害の実態についての調査や報告、被害者の法的権利実現のための政策提言や、若者に対しブラック企業の具体的な見分け方や対処方法の発信を行う事により、日本社会からブラック企業をなくすことを目指しています。
学生向けではありますが、「ブラック企業の見分け方」というガイドブックが公表されています。どういった点に注意が必要かが丁寧に書かれていますので、採用活動や労務管理のご参考になされてはいかがでしょうか。
今回ご紹介したものも含め、まだまだブラック企業対策は動き始めたところで、国の対応も正直後手に回っている状況です。ごく一部かもしれないブラック企業のためにブラックではない企業が対策を迫られていることは正当ではないと思います。しかし、ブラックではない企業こそ、実態をよく把握し積極的に対策・アピールをしていく必要に迫られており、1社でも多くの取組みが結果としてブラック企業を日本社会からなくすことにつながるのだろうと思います。