昨年、厚生労働省が発表した就労条件総合調査によると、1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数は除く。)は、労働者1人平均18.3日、そのうち労働者が取得した日数は8.6日で、取得率は47.1%となっています。
取得率を企業規模別にみると、1,000人以上が54.6%、300~999人が44.6%、100~299人が42.3%、30~99人が40.1%となっています。
自社の取得率は何%かご存知ですか?年次有給休暇を取得しやすい職場環境となっているか、今一度確認してみてはいかがでしょうか。
取り組み例③の5日を除いた残りの分とは、例えば付与日数が10日の従業員に対しては5日まで、20日の従業員に対しては15日までを計画的に付与することができます。前年度の繰り越し分がある場合は、繰り越し分を含めた日数から5日を引いた日数を計画的付与の対象とすることができます。
また、導入の仕方には以下のような方法がありますので、会社や職場の実態に応じた方法を選択することもできます。
毎月1日のペースで有給休暇を使用すれば、有給休暇の時効は2年なので、2年で24日が消化できます。休暇の付与日数は最大でも20日ですので、月1日のペースであれば確実に全ての休暇を消化できます。また、従業員の中には、有給休暇を賃金に換算し考えている方もいるかもしれません。例えば、時給1,000円の従業員で所定労働時間8時間、付与日数20日、有給休暇の賃金が通常支払われる賃金だとすると、1日8,000円×20日=160,000円が1年間に完全取得した際に有給休暇に対して発生します。金額的には賞与額に近い額となることも多いのではないでしょうか。
有給休暇を使えないことは、精神的・肉体的にも、また金銭的にも従業員にとってマイナスの要因が多く、トラブルの原因ともなり得ます。
普段からマメに管理をし、休暇を使えるような職場環境になっていれば、無用なトラブルを避け、仕事とは関係ないことに気をつかわなくて済みます。
今一度、自社の有給休暇取得状況を確認し、できれば従業員の方々の意見も取り入れ取得率向上に向けた取り組みをしてみてはいかがでしょうか。