テレビや新聞等では、将来もらえると思っていた年金がもらえない事態になる無年金化についての話や、先日は今年度4月から支給される年金に対するマクロ経済スライドの適用についても書かれていました。
今回、主に女性に視点をおいて、年金について数回に分けて書きたいと思います。
人は20歳になると、国民年金に強制的に加入となり国民年金第3号被保険者以外は保険料の支払いが始まります。
例えば、お子様が18歳から大学生になり、20歳になった時点で国民年金第1号被保険者という資格を得ます。
一方、お子様が18歳から就職し(法人への就職)、社会人になると、会社で厚生年金に加入します。厚生年金に加入している人は国民年金第2号被保険者という資格を得ることになります。
そして、この第2号被保険者に扶養されている妻または夫(配偶者)は国民年金第3号被保険者という資格を得ます。
イメージは
そして、将来年金をもらうためには、H26.2月現在では最低でも25年間保険料を払わないと年金をもらえない仕組みとなっています。この『最低でも25年』という数字の中には、保険料をしっかり払った期間と保険料がわけあって払えないから免除にしてもらった期間とこの期間は払ったことにしましょうと認められている合算対象期間の3つを併せた期間をいいます。
2号以外の人で見てみると、被保険者として加入していなければならない期間は20歳以上60歳未満ですので、ざっと40年間の加入となります。イメージとしては40年間、毎月、国民年金保険料(以下、保険料)を払い続ける(納付する)ということになります。
40年間きちんと毎月納めると65歳から満額の老齢基礎年金という年金をもらうことができます。
今年の満額の年金額は772,800円(平成27.2月現在)。年金なのでこれを月単位にすると64,400円。そして、年金は2ヶ月に1回の支給になりますので、128,800円が2ヶ月に1回に振り込まれます。
さて、ここからが本題
主に女性の視点で見ていきましょう。
4/2に20歳になった大学生のA子さん。両親からの仕送りを受けながら、アルバイトはしているけど、自分の収入が少なく保険料を払うと生活が苦しくなる、というとき。
学生納付特例制度というものがあります。これは申請者(A子さん)のみの所得をみて、所得が基準額以下の時、保険料の納付を猶予してあげましょうという制度。あくまで猶予なので、『支払いを待ってあげるので、働けるようになったら払ってね』という出世払いてきなものです。申請が必要です。
さて、この制度を2年間利用したA子さん。
22歳で念願の株式会社B社に就職。
就職した会社では当然、厚生年金保険に加入します。厚生年金保険は前図の通り、国民年金第2号に加入しつつ、厚生年金にも加入していることになるので、両方の保険料を払っているというイメージです。
そして、25歳で会社の同期の男の子と結婚。まだまだ働くぞ~って思っていたら、27歳の時に妊娠。赤ちゃんをおなかの中に抱えながら働くのは大変。でも、頑張りました!
出産日まであと42日になった時点で産前休業に入りました(例;6/11出産予定日)。
さて、出産のためのお休みでお給料は出ません。お給料が出ないのに、厚生年金保険料は払わないといけないの??
H26.4月から、産前産後休業期間中の保険料が免除となる制度が導入されました。免除ですので、事業主様もA子さんも厚生年金保険料の支払いをしなくてよくなります。但し、申出が必要で届出をしなければなりません。
そして、予定日の6/11に無事男の子を出産♪
翌12日からは56日間の産後休業となります。
そして、その後、もちろん働きたい、すぐにでも働ける環境であれば、働いてOK!
でも、A子さんはすぐには働ける環境ではなく、育児休業をとることを決めました。
短くても子供が1歳の誕生日を迎える前日まで育児休業がとれます。
よし!そうしよう!
事業主様に申し出て、育児休業をとることになりました。
さてさて、子供を育てている期間も会社に雇われています。育児休業期間中も届出をすることで、産前産後休業同様、事業主様もA子さんも厚生年金保険料の支払いをしなくてよくなります。
次回は、会社に復帰した以降のことを書きたいと思います。続く