本文へジャンプ

機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第77号 平成27年9月1日

ストレスチェックの実施が義務付けられます。

~中小の事業所は、焦らず来年までまつべき?~

労働安全衛生法が改正され、労働者が50人以上いる事業所ではストレスチェックの実施が2015年12月から義務付けられます。
まだ、法律解釈が固まっていなかったり、実施体制の整備が不十分だったりと流動的な部分が多いですが、義務化の日付が迫っていますので、義務化項目を中心に現時点でわかる範囲でまとめてご案内させていただきます。

1.ストレスチェックとは

「ストレスチェック」とは、ストレスに関する質問票(例として[図表1])に労働者が記入し、それを集計・分析することで、自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査です。「労働安全衛生法」という法律が改正されて、労働者が50人以上いる事業所では、2015年12月から、毎年1回、この検査を全ての労働者に対して実施することが義務付けられました。なお、契約期間が1年未満の労働者や、労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は義務の対象外です。
また、ストレスチェックの結果、高ストレス者など一部の労働者については医師による面接指導を実施しなければなりません。そして、一年に一度、検査結果等を労働基準監督署に報告しなければなりません。

2.事業者としては

やらなければならないことはいろいろありますが、整理すると次の3点になります。
一年に一度、

  1. ストレスチェックの実施
  2. 必要に応じ、医師による面接指導の実施
  3. 検査結果等を労働基準監督署に報告

この3つを実施するための体制を整備することが事業者に求められます。産業医との関係が緊密な事業所については、産業医に相談しながら進めることになります。
しかし、

  1. 社内の衛生担当者が育っていない、産業医との関係構築が道半ばなど中小企業にとっては、衛生管理体制の整備は不十分という事業所も多いと思います。
    また、
  2. できるだけ簡便に行いたい。といった事情もあるかと思います。
  3. ストレスチェックは、一年に一度の実施が義務付けられていることから、健康診断との同時実施なども考えられます。このようなことから、多くの中小企業の場合、実施体制を外部の機関に依頼するケースが多くなると想定されます。
3.外部機関への実施の委託

外部機関へ実施を委託するにしても、現状は外部機関の体制が追い付いていません。

  1. 医師、看護師等への研修が始まったばかりで人員が不足している
  2. 外部機関の受け入れ態勢がいまだ明確ではない
  3. 受託を表明している機関についても、価格もバラバラで選択の基準がない
  4. これを商機とみて、異業種からの参入も出てきている。たとえば、有線放送大手のUSENなどの企業がこのサービスを開始します。

このような現状から、外部機関の実施体制が固まってきたところで選択する必要があります。そもそも、ストレスチェックの実施義務は本年12月1日からとなりますが、その期限は一年後の2016年11月30日までとなります。

従って、本年12月に目を奪われず、来年以降じっくり選定するのがよいでしょう。

4.一般健康診断との相違

最後に、共通点も多く、同時実施の可能性の高い一般健康診断との比較をまとめておきます。ストレスチェックと、一般健康診断には、類似点もありまが、労働者の受診義務の有無などの点で相違もあります。詳しくは、図表2をご覧ください。

ページ先頭に戻る

機関紙 KAWA-RA版

社会保険労務士法人ご案内
東京事務所
〒104-0032
東京都中央区八丁堀4-2-1
東京リアル宝町ビル5F
TEL:03-3551-6311
FAX:03-3551-6312
横浜事務所
〒231-0005
神奈川県横浜市中区本町2-15
横浜大同生命ビル2F
TEL:045-210-9260
FAX:045-210-9261

ISMS BS7799認証SRC 認証番号080473

川口社会保険労務士法人の連絡先がご覧になれます