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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第81号 平成28年5月1日

このコーナーは、社労士試験受験生が、受験と実務の関係を意識しつつその時々勉強していて気になった項目を紹介していくものです。
第1回は、通勤災害についてです。

労災は受験生にとって比較的取り組みやすい分野であり、実務上も度々問題となりうる分野です。 日頃あまりわけて意識しませんが、労災には、業務災害と通勤災害があります。
業務災害は、業務上の事由によるもの、通勤災害は、通勤によるものです。
いずれも療養、休業等について給付を受けることができますが、通勤災害は業務災害と異なり災害補償責任を基礎としないため、休業給付に関する待機期間3日間について事業主の補償義務がなかったり、療養給付に関して一部負担金が徴収されたりします。
通勤災害にいう「通勤」とは、就業に関し、住居と就業の場所との間の往復、就業場所から他の就業場所への移動、単身赴任先住居と帰省先住居との間の移動を、合理的経路及び方法により行うことをいい、そのうち業務の性質を有するものを除いたものをいいます。
ただし、そのような通勤経路での負傷等であっても、逸脱・中断があった後については原則として通勤災害とならないので注意が必要です。(※逸脱とは合理的な経路からそれること、中断とは経路上で通勤と関係ない行為を行うことをいいます。)
もっとも、その逸脱・中断が日常生活上必要な行為で厚労省令で定めるやむを得ない事由により行う必要最小限度のものであるとき(日用品の購入、通院等)は、通勤経路に復した後は通勤災害の対象となります。
また、通勤途中に公衆トイレに寄る等日常のささいな行為については、そもそも逸脱・中断となりません。

  • (例1) 仕事帰り友人と飲みに行った後、通勤経路上で負傷した。
    →  通勤災害とならない
  • (例2) 仕事帰りにスーパーに立ち寄り日用品を買った帰った後、通勤経路上で負傷した。
    → 通勤災害となる

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