今回は前回に引き続き、使わなければ勿体ない制度についてご紹介したいと思います。
第3回は、高額療養費制度についてです。
高額療養費制度とは、1ヶ月にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合に、自己負担額を超えた額が払い戻される制度です。
自己負担額は年齢や所得により異なります。
70歳未満の方の自己負担限度額は次表のとおりです。
70歳未満の方が窓口で支払った自己負担額は、月ごと、受診者ごと、医療機関ごと、医科・歯科ごと、入院・通院ごとにみて、21,000円以上のもののみが対象となります。
高額療養費には、世帯合算という仕組みがあります。
これは、複数の受診や同じ世帯にいる他の方の受診について、窓口でそれぞれお支払いになった自己負担額を1ヶ月(歴月)単位で合算することができるというものです。ただし、世帯合算は被保険者とその被扶養者を単位として行うため、ともに被保険者である場合には世帯合算はされません。
さらに負担を軽減する仕組みとして、多数回該当というものがあります。
これは、直近の12ヶ月に、すでに3回以上高額療養費の支給を受けている場合に、4回目から上表の自己負担額がさらに引き下げられるというものです。
以上みてきたように、高額療養費は医療費が高額となる場合に利用するとたいへん得な制度です。
しかし、まずは自分で医療費を支払わなければならない点、また、払い戻しまでに時間がかかる点で、なお医療費への負担感はあります。
そこで、事前に高額な医療費がかかることがわかっているような場合には、限度額適用認定の申請がおすすめです。
事前に限度額適用認定の申請をしておくと、限度額適用認定証を窓口で提示することにより、窓口での1ヶ月の自己負担が自己負担限度額までとなり、高額療養費を申請する手間も省けます。