2月4日の日経新聞朝刊社会面にこのような見出しの記事が掲載されました。記事では、業務に必要な資格取得の勉強や語学力向上の学習など自己啓発をした時間についても労働時間となりうるとされています。
労働時間とされると、それが法定労働時間外に行われれば割増賃金の支払いが必要となります。
この記事の根拠は、厚生労働省が新たに出したガイドラインによるものです。ガイドラインでは、次のものが労働時間になると例示されています。
- ➀使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付けられた所定の服装への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(掃除等)を事業場内において行った時間
- ②使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機等している時間(いわゆる「手待時間」)
- ③参加することが業務上義務付けられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間
また、このガイドラインでは、労働時間管理の自己申告制について、「休憩や自主的な研修、教育訓練、学習等であるため労働時間ではないと報告されていても、実際には、使用者の指示により業務に従事しているなど使用者の指揮命令下に置かれていたと認められる時間については、労働時間として扱わなければならないこと。」とされており、電通事件を強く意識した内容となっています。
このような状況から、今後は労働時間の管理は自己申告制からタイムカード、ICカード、パソコン等の使用記録等の客観的な記録を基礎とする方向に進んで行くものと思いますので事業所様においても今から準備が必要となります。