労働力確保の観点から、働き方改革に取り組んでいる企業が増えてきました。今回取り上げる週休3日制もその一つで、佐川急便、ヤマト運輸、コロワイドやすかいらーくなどの企業で導入が進められているようです。
週休3日制と聞くと、業務が回るのか?と疑問を持たれた方もいらっしゃると思います。また、賃金はどうなるのかという疑問もあります。そこで、今回は週休3日制を実現するためのベースとなる仕組みをご案内させていただきます。
週休3日制は、1年単位の変形労働時間制という労働基準法に定められた制度を利用しています。
1年単位の変形労働時間制とは、
1年以内の一定の期間を平均し、1週間当たりの労働時間が40時間以下の範囲内において、特定の日又は週に1日8時間又は1週40時間を超え、一定の限度で労働させることができる制度です。
法律では、1日の所定労働時間の上限は8時間、1週間40時間と定まっています。これを超える労働は、労使協定の締結・届出と割増賃金の支払いが必要となります。1年単位の変形労働時間制の適用を受けると、1年間を平均して、1日8時間以下、1週40時間以下にできれば、ある日1日10時間、ある週52時間までの労働が可能となります。この場合、通常1日8時間を超えた2時間分は時間外労働となりますが、変形労働時間制の適用を受ければこの2時間は時間外労働とはなりません。
厚労省の調査では、変形労働時間制(1年、1月、フレックスを合わせた)導入企業の割合は6割を超えています。
ここで取り上げた週休3日制というのは、1日10時間とすることで、週4日労働、つまり週40時間とするものです。もともと、1日8時間で週5日労働ですから、1週間の労働時間は40時間と変わりません。したがって確保できる労働力も賃金も変わらないという仕組みなのです。
このような便利な変形労働時間制もあらかじめシフトやワークカレンダーを決める必要がございます。また、労使協定を締結して労働基準監督署に届出も必要です。ご興味のある事業所様はお気軽に弊社までご相談ください。