本文へジャンプ

機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第88号 平成29年7月1日

クールビズをめぐる室内温度の定め?

2005年夏に環境省が呼びかけたことが始まりとされる、地球温暖化対策のため始まったクールビズもすっかり定着し、毎年5月1日から9月30日まで、摂氏28度以上の室温に対応できるよう上着やネクタイを着用しないなど軽装で過ごすことで、冷房の節約をすることも当たり前になってきましたが、先日この温度設定に科学的根拠がないことを導入当時に担当課長として関わっていた方が明らかにし、話題になりました。
さて、職場の温度については、何か法的な定めがあるのでしょうか。今回はますます暑くなるこれからのために詳しくみていきます。

事務所衛生基準規則で17度以上28度以下とする努力義務

労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則第5条第3項によると以下のように定められています。

  • 事業者は、空気調和設備を設けている場合は、室の気温が17度以上28度以下及び相対湿度が40パーセント以上70パーセント以下になるように努めなければならない。
    さらに、同第4条第1項・第2項では以下のように定められています。
  • 事業者は、室の気温が10度以下の場合は、暖房する等適当な温度調節の措置を講じなければならない。
  • 事業者は、室を冷房する場合は、当該室の気温を外気温より著しく低くしてはならない。ただし、電子計算機等を設置する室において、その作業者に保温のための衣類等を着用させた場合は、この限りでない。

上記第4条第1項には罰則があります。処罰される場合は、法人と代表者が6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金になります。

事務所衛生基準規則と衛生管理者の関係

上記の例のように、事務所を労働者にとって快適で安全な場所にするために様々な定めがされています。そこで、医師が事務所の全ての衛生管理をするのは実務上、範囲が広すぎてとても大変なので、この衛生管理者を担う人を衛生管理者といい、事務所の指導員・リーダー的な立場で衛生管理を行います。
衛生管理者は、事務所を良い状態に保つために行動するのですが、その時の基準になるのが事務所衛生基準規則です。一定規模以上の事務所は衛生管理者、衛生委員会の設置、産業医の選任義務があります。義務を果たさなければ、罰則がありますので注意しましょう。

この衛生管理者は、衛生管理者免許等の資格を有する者の中から選任しなければならず、常時使用する労働者数が50人以上200人以下の場合は、衛生管理者は1人以上、200人を超え500人以下では衛生管理者は2人以上、以降、500人を超えると3人、1000人を超えると4人、2000人を超えると5人、3000人を超えると6人以上の衛生管理者を選任しなければなりません。
屋内での熱中症も年々増加しており、その場で症状が出なくても帰宅後に具合が悪くなることもあります。職場での事故を未然に防ぐためにも、日頃からの対策に力を入れる必要があります。事務所衛生基準規則は、難しく考える必要はなく当たり前のことを当たり前にしていれば問題なくクリアできることばかりです。中には人数や回数などが定められているものもあり、罰則が定められているものもありますので、注意が必要です。まずは、社内の点検体制を再確認してみましょう。

ページ先頭に戻る

機関紙 KAWA-RA版

社会保険労務士法人ご案内
東京事務所
〒104-0032
東京都中央区八丁堀4-2-1
東京リアル宝町ビル5F
TEL:03-3551-6311
FAX:03-3551-6312
横浜事務所
〒231-0005
神奈川県横浜市中区本町2-15
横浜大同生命ビル2F
TEL:045-210-9260
FAX:045-210-9261

ISMS BS7799認証SRC 認証番号080473

川口社会保険労務士法人の連絡先がご覧になれます