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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第92号 平成30年1月1日

伴弁護士の法律の窓

破産手続は経済的な再スタートです!

[相談内容]
私が経営している会社の資金繰りが悪化しており、まもなく事業が継続できなくなります。いつかは破産の手続を取らなければならないと思うのですが、会社を破産させた場合、私個人は代表者としてどのような責任を負うのでしょうか。また、私の家族にも何か責任が及ぶのでしょうか。

[回答]

  1. 会社の破産手続は、会社に残っている財産と負債を全て清算し、清算後に会社を解散、消滅させる手続きです。
    会社と代表者個人は、法的にはあくまで別人格です。会社を清算しても完済できなかった分の負債について、代表者個人は原則として責任を負いません。とはいえ、通常、会社が金融機関から借り入れをする際に代表者個人が保証人となる関係で、会社が破産すると代表者個人も破産が必要になります。
  2. 代表者個人が破産する場合も、会社と同様、代表者個人名義の財産と負債を清算します。そのため、自宅不動産など自己名義の財産があれば、これを手放さなければなりません。
    他方で、完済できずに残った負債については、税金等の一部の債務を除いて支払を免除されます。なお、破産により金融機関の与信が受けられなくなりますが、これも数年程度に過ぎません。また、破産の事実が戸籍に記載されることもありません。
  3. 代表者の家族は、代表者の保証人になっている場合は別として、家族というだけで法的な責任を負うことは一切ありません。そのため、破産により、家族が返済の責任を負わされることを心配する必要はありませんし、別居や離婚をすることも不要です。
    もっとも、代表者が負債を整理しないまま亡くなってしまった場合、相続人となった方は、一定の期間内に相続放棄等の手続を取らないと代表者が負担していた責任を負うことになってしまうので、注意が必要です。
  4. 以上のとおりですので、会社の代表者としては、事業が継続できない場面に直面した場合、前向きに破産手続を取ることが大事です。それにより関係者への迷惑を最小限に抑えることができ、経済的な再出発も容易になります。

破産手続を弁護士に依頼すれば、その後は弁護士が窓口となりますので、債権者からの督促に悩まされる心配もありません。一人で抱え込まずに、速やかに弁護士等の専門家に相談することをお勧めします。

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