従業員が起こした交通事故で会社がその責任を問われることもあります!
自動車事故と会社のリスクマネジメント
交通事故は、従業員が業務で社用車を運転する場合や、自家用車で通勤する場合にも発生する可能性があります。そして交通事故が起こってしまえば、慰謝料を含めた損害賠償の問題等様々な問題が起こります。
そのため会社は、リスクマネジメントの面からも適切な自動車管理対策を講じるべきなのです。
しかし実態としては、従業員のマイカー通勤管理はもちろん社用車管理についても明確に管理していない会社も見受けられます。
事故発生と責任
交通事故を起こした者は、被害者の救急活動をする道義的な責任はもちろんのこと、以下のような「行政上の責任」「刑事上の責任」そして「民事上の責任」の3つの法律上の責任を負うことになります。
- 「行政上の責任」
一般的に管轄の警察署等により行われる行政処分で道路交通法に基づく。通常は運転者個人の運転免許取消等である。
- 「刑事上の責任」
通常は「刑罰」と言われ、検察庁の起訴により裁判所が判決を下すことによって確定する。この刑罰は一般的には運転者個人に科せられるが、道路交通法には両罰規定の定めがあり、従業員が事故を起こした場合、会社側も責任を問われることがある。
- 「民事上の責任」
通常は被害者に対する損害賠償のことをいう。従業員が事故を起こした場合、民法や自動車損害賠償法を根拠に会社が連帯して責任を問われる場合がある。
つまり会社は、従業員が起こした交通事故によって、責任を連帯して負わされることがあるのです。
民法に定める「使用者責任」では、従業員が業務執行中に交通事故を起こし第三者に損害を与えた場合は、使用者である会社が責任を負わなければならないとなっているのです。
従って従業員が社用車で事故を起こしたときはもちろん、自家用車を業務に使用し事故を起こしたときにも会社に責任があるということになります。
また自動車損害賠償法の「運用供用者責任」では、民法に定められている「使用者責任」より会社の責任をさらに広く考えられています。
よって会社は、その責任をできるだけ軽減させる対策を講じる必要があるのです。
現状把握
会社は従業員が起こした自動車事故の「使用者責任」と「運行供給者責任」をできるだけ軽減させるために、まず自社の実態を把握し、対策を講ずる必要があります。
次のチェック表を使って、ぜひ自社の現在の運用状況を確認してみて下さい。
次回は具体的な社用車と自家用車の管理策について解説致します。