スクールを主宰し、長年コミュニケーション方法を教えてきた著者が、題名通り、会話をとぎれさせないために気をつけることや具体的な会話の内容、フレーズを66のポイントにまとめた読みやすい一冊です。読んでいくと思い当たることや、この悪い例は私だ!と思うことがいくつもありました。
例えば、友人から「昨日定時に帰ろうと思ったら、上司につかまり3時間も残業になった」と言われたら、どんな言葉を返しますか?私なら、「何をしていたの?」「なぜ帰れなかったの?」と聞くと思います。著者は、その質問をする前に、相手の気持ちに焦点をあてなさいと言っています。なぜなら、相手が一番わかってほしいのは、何が起こったかではなく、その時の気持ちだからです。「それはついていなかったね」とか「疲れたでしょう」などと共感の気持ちを伝えることが大切と言います。また、そういう時に一番使ってしまいがちな「大変だったね」という言葉は、「よかったね」という言葉とあわせて著者は原則禁止としています。悪い状況の時は「大変だったね」、良いことがあれば「よかったね」と便利に使っていますが、これでは相手に共感していることが充分に伝わらないのです。共感の言葉は、バリエーションを増やして、思いが正確に伝わるようにしたいものです。
質問の仕方にもコツがありました。5W1H(「いつ」「どこで」「誰と」「なにを」「どうして」)の情報を仕入れるだけの質問の場合、ひと通り聞き、自分なりのイメージをつかむと、聞くことがなくなり話が止まってしまいます。また、このような質問だと、相手の答えも短く終わりがちなため、質問する側は常に次の質問を用意しなければならず、すぐに苦しい状況に追い込まれてしまいます。ここでも著者は「気持ち」に目を向けなさいと言っています。5W1Hの質問の随所に「気持ち」を織り交ぜてみると、相手の反応も変わるようです。
気持ちをストレートに聞く質問も避けた方がよいことがあります。「先週、バリへ行ってきた」と友人が話したとしたら、私はすぐに「楽しかった?」と聞いていました。こういうストレートな質問は逆に相手は話しづらいことがあります。また、「どうだった?」という聞き方も、漠然としていて答えづらいようです。それよりも、「楽しかったでしょうね」「リラックスできたでしょうね」という聞き方をすると、相手は楽しかったことだけでなく、楽しくなかったことやハプニングなど自由に答えてよい気になります。
その他にもなるほどと思うことがありましたが、著者が言っているのは、「会話とは技術ではなく思いやり」であり、自分から気持ちを少しオープンにして相手にみせることが大切ということ。こちらがオープンにしないと相手も心をみせてくれません。また、自分を良く見せることばかり考えていては、相手を思いやることもできません。「会話は言葉のキャッチボール」だと思っていましたが、「会話は気持ちのキャッチボール」だと書かれていて、少し仰々しい感じもしましたが、毎日誰かと気持ちのキャッチボールができるとすれば、こんなにうれしいことはないですよね。
先日、消費者問題を専門に扱う弁護士の方の話しを聞く機会がありました。その方によると、医療過誤訴訟においての被害者は、精神状態がおかしくなっている方が多く、医師の責任について理不尽な主張がなされて困るということでした。特に、小児医療事故の場合、両親自身が責任を感じ、このぶつけどころのない罪悪感で精神状態がおかしくなるのではないかということです。しかし、それだけではないでしょう。専門家を信頼したのに裏切られ、人を信じることが無条件にできず、攻撃的になっているのではないでしょうか。
ところで、企業において顧客からのクレームは宝であり、改善のチャンスといわれます。しかし、それだけではありません。その企業に対する信頼が裏切られたことに対する反応がクレームなのではないでしょうか。つまり、クレームは信頼の証、信頼なければクレームなしです。クレームに対し、信頼どおり対応すれば、これによって信頼が裏付けられ更なる信頼が生まれる。まさに、クレームは企業にとって宝かも知れませんね。
今年はバンクーバーオリンピックがありました。オリンピックや世界大会等があると必ずテレビ観戦しています。おかげで毎回寝不足になることもしばしばあります。今回は残念なことにライブ中継は深夜か午前中だったので、夜のハイライト番組ばかりになりました。本当ならスポーツは生で観戦し、臨場感を味わいたいところですが、なかなか現地までは応援に行けません。いつかオリンピックを現地で観てみたいものです。
ですが、季節は3月!プロ野球シーズン開幕です!昨年はたった1回しか球場に行くことができませんでした。お目当てのチームがパ・リーグなので、なかなかチャンスが来ないのですが・・・今年は地方遠征もして、もう少し応援に行きたいと思います。