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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第68号 平成26年3月1日

寺崎弁護士の法律の窓

川口社労士法人 協力弁護士 寺崎時史氏

現在、国会で労働者派遣法の「改正」論議がされています。今回は、政府(厚生労働省のとりまとめた「報告書」がたたき台となっています。)がどのような「改正」をしようとしているのかを数回にわたり見てみましょう。

政府の基本的考え方として、A 労働者派遣制度を分かりやすい制度にすること、B-(1)労働者派遣事業が労働力の需給調整において重要な役割を果たしていることを評価した上で、(2)派遣労働者のキャリアアップや直接雇用の推進を図り、(3)雇用の安定と処遇の改善を進めていくこと、C 労働者派遣事業の健全育成があります。

具体的措置としては、次のようなものがあります。

  1. 登録型派遣・製造業務派遣については、経済活動や雇用に大きな影響が生じるおそれがあることから、禁止しないとしています(B―(1))。
  2. 特定労働者派遣事業(常用型、届け出制)と一般労働者派遣事業(登録型、許可制)の区別を撤廃しすべての労働者派遣事業を許可制とするとしています(A、B-(1)、C)。
  3. 期間制限について
    派遣労働は、派遣労働者の雇用の安定やキャリア形成が図られにくいこと、また派遣先の常用労働者(正社員)との代替が生じないようにするため、派遣労働の利用を臨時的・一時的なものに限ることを原則としています(B-(3))
    いわゆる26業務という区分及び業務単位での期間制限は、わかりにくい等の理由から撤廃するとしています(A)。
    これに対し、個人単位の期間制限については、原則的に、同一組織単位において3年を超えて継続して同一の派遣労働者を受け入れてはならないとしています。

(続く)

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