新型インフルエンザは10月には本格的な感染期を迎えるとされており、人事労務管理面においては、従業員もしくはその家族が罹患した場合の休業の取り扱いおよびその際の給与取り扱いが大きな問題となっています。
そのような中、9月には厚生労働省より「新型インフルエンザに関連して労働者を休業させる場合の労働基準法上の問題に関するQ&A」が公表され、以下の5つのよくある質問に対する厚生労働省の見解が述べられています。
Q&Aは以下の通りです。(A.は弊社要約)
Q1 | 労働者が新型インフルエンザに感染したため休業させる場合は、会社は労働基準法第26条に定める休業手当を支払う必要がありますか。 |
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A | 新型インフルエンザに感染しており、医師等による指導により、労働者が休業する場合は、休業手当に支払いは不要です。 |
Q2 | 労働者に発熱などの症状があるため休業させる場合は、会社は休業手当を支払う必要がありますか。 |
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A | 新型インフルエンザかどうかわからない時点で会社の自主的な判断で休ませる場合は、休業手当の支払いは必要です。 |
Q3 | 労働者が感染者と近くで仕事をしていたため休業させる場合は、会社は休業手当を支払う必要がありますか。 |
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A | 保健所による協力要請等により労働者を休ませる場合は休業手当の支払いは不要、会社の自主的な判断で休ませる場合は、休業手当の支払いは必要です。 |
Q4 | 労働者の家族が感染したためその労働者を休業させる場合は、会社は休業手当を支払う必要がありますか。 |
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A | Q3と同様です。 |
Q5 | 新型インフルエンザに感染している疑いのある労働者について、一律に年次有給休暇を取得したこととする取扱いは、労働基準法上問題はありませんか。病気休暇を取得したこととする場合はどうですか。 |
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A | 年次有給休暇は原則として労働者の請求する時季に与えなければならないもののため、会社が一方的に取得させることはできません。事業場で任意に設けられた病気休暇についてはその事業場の取り決めによります。 |
※「労働基準法第26条 休業手当」とは?
使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。
厚生労働省「新型インフルエンザに関連して労働者を休業させる場合の労働基準法上の問題に関するQ&A」はこちら
なお、民間調査機関の(財)労務行政研究所(理事長:矢田敏雄)では、急速に患者数が増え、企業経営にも多大な影響を及ぼす新型インフルエンザについて,企業がどのような対策を講じているのかの緊急調査を行いました。 調査結果の主なポイントは以下のとおりです。
新型インフルエンザに流行は、企業活動においても影響が拡大することは必至です。予防策や罹患した従業員・家族への対策等、実務上の対応が急がれます。