税制抜本改革が進む中、昨年成立、公布された法律が来年(平成26年4月1日)から順次施行される予定となっています。そのうちの代表的なものをご紹介します。
なお、税制抜本改革の施行時期にあわせ施行時期がずれる可能性があります。
【平成26年4月から施行されるもの】
厚生年金、健康保険等について、次世代育成支援のため、産休期間中の保険料免除を行う。
<改正内容>
- 現在は育児休業中の保険料免除制度がありますが、産前産後休業をしている間は保険料が免除されず被保険者にとっても事業主にとっても負担となっていました。
この育児休業中の保険料免除制度と同様の制度を、産前産後休業をしている被保険者を使用している事業主が申出をした時にも適用し、産前産後休業期間(※)中の健康保険料・厚生年金保険料を免除するものです。
(※)産前6週間(多胎妊娠の場合14週間)、産後8週間のうち、被保険者が労務に従事しなかった期間。
- また、従来からある育児休業を終了した際の標準報酬月額の改定と同様に、産前産後休業を終了した際にも、産前産後休業終了後の3ヶ月間の報酬月額を基に標準報酬月額を改定することが出来るようになります。
遺族基礎年金の父子家庭への支給を行う。
<改正内容>
- 現在の遺族基礎年金は母子家庭にしか支給されませんが、父子家庭へも支給されます。
【平成27年10月から施行されるもの】
納付した保険料に応じた給付を行い、将来の無年金者の発生を抑えるという観点から、受給資格期間の短縮を行う。
<改正内容>
- 現在の老齢基礎年金は受給資格期間が25年ないと受給できませんが、この期間を10年に短縮するものです。対象となる年金は以下のものです。
- 老齢基礎年金、老齢厚生年金、退職共済年金
- 寡婦年金
- 上記に準じる旧法老齢年金
- また、現在無年金の高齢者にも、改正後の10年の受給資格期間を満たす場合には、経過措置として施行日以降、保険料を納付済の期間等に応じた年金が支給されます。
【平成28年10月から施行されるもの】
短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用拡大を行う。
<改正内容>
- 現行での社会保険への加入基準は週30時間以上の労働者ですが、この基準を以下の通り適用拡大するものです。対象者数は約25万人と発表されています。
- 週20時間以上
- 月額賃金8.8万円以上(年収106万円以上)
- 勤務期間1年以上
- 学生は適用除外
しかし、まずは従業員501人以上の企業が対象となりますので、ご安心下さい。
将来的には対象企業も拡大していくものと思われますが、それまでには時間的に余裕もありますので、まずは現在の加入基準を満たす方、満たさなくなっている方がいないかをご確認下さい。