『年末調整』についての最新の記事があります。
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関連記事をヨム年末調整を行う12月は給与担当者にとって最も忙しい時期です。準備を早めに始めても、12月前半には賞与計算もあるケースが多いので、年末まで処理に追われることになります。しかも年が明けると今度は給与支払報告書の提出があるため、結局2月くらいまで繁忙期が長期化してしまいます。
今回は、毎年確実に発生する業務であり、社員数の増加等に伴い作業時間が増えてしまう性質の業務のため、少しでもスピーディーかつミスが起きないよう給与ソフトでできることを考えます。
10月中旬より各税務署にて次年度分の扶養控除申告書と保険料控除申告書の配布が始まっています。もうすでに入手し、各従業員へ配布をしているところも多いかと思いますが、給与ソフトによっては、登録されている個人マスタ情報を基に各種申告書に印刷できる場合があります。この機能を活用して申告書を配布することができれば、申告書のチェック作業の効率をアップすることが可能です。申告書の配布・回収だけでも以下のようなメリット・デメリットがあるかと思います。
・メリット:差分チェックのため変更箇所が把握しやすい
※例えば、印字されている事項に変更がある場合は赤字で訂正してもらう
・デメリット:プライベートな情報が印刷されているため配布方法に気をつける必要がある。
(個別に手渡しや封筒への封入が必要)
・メリット:個人差がないため配布が容易・確実
・デメリット:全件チェックが必要(給与ソフト等のマスタとの照合)
申告書を配布するタイミングについても注意が必要です。パートなど毎日出勤するわけではない人が多い場合は、配布から回収までの期間をある程度長く設定する必要がありますが、基本的には期間をあまり長く設定しないほうが、回収は容易となります。期間が長いと余裕があるから後回しと安心してしまい提出を忘れてしまうケースが案外多いです。配布後すぐに記入・提出しなければならないスケジュール設定のほうが、逆に確実かつスピーディーに回収できることが多いようです。
申告書の回収が済むと、その内容を給与ソフトへ入力することになります。ここで注意すべきは、いきなり内容を入力しないということです。
例えば、扶養控除申告書では、寡婦(夫)や障害者の欄は○をつけているだけで、内容の詳細が記載されておらず、有効期限のある手帳の写し等の添付がもれているケースが非常に多いです。保険料控除申告書では、記載内容と添付の控除証明書が一致しない(添付もれ)ケースが多いです。どちらも見落としがちな事項ですので、入力をする前に申告書のチェックを紙ベースで済ませておき、不備等があれば本人へ問い合わせ等をし不明点をつぶしておきましょう。このチェック作業は申告書の回収が終われば順次可能ですので、12月の給与計算前に終わらせておくと、反映をする計算時に給与ソフトへの入力が必要事項のみの入力で済みスムーズになります。
年末調整の計算も終わると、まずは従業員へ渡すための源泉徴収票の発行が必要となります。給与ソフトであれば、計算を済ませていれば簡単に発行が可能です。また、給与支払報告書、総括表ともに給与ソフトから作成でき、送付先市町村の管理も個人マスタからのデータにてできますので、住所変更等がきちんと反映できていれば対応は容易になります。
非常に簡単にではありますが、給与ソフトを使用し年末調整処理をしたときの注意点等を説明いたしました。今では、各種申告書についてはWeb上で従業員本人が入力することも普及してきていますが、最終的なチェックでは人の目が必要なことに変わりはありません。少しでも作業効率を軽減かつアップでき、ミスなく計算できるよう、今年もあとわずかとなりましたが、のりきれるようチャレンジしていきましょう。